新築マンションの価格はどう決まる? 安くするカギは「快適代」
「南向き」が良いとされているワケ
では、なぜ南向きが良いとされるのでしょうか? 本当にその快適さ、お値段を払うほどの価値があるの?
実は、南向きの快適性は、昼間の太陽の高さと庇(ひさし)が関係しているのです。
夏の日差しはとても暑いもの。できれば部屋の中に入ってほしくないものです。学校の授業で習ったと思いますが、真夏の太陽は高い位置にありますから、庇があれば真夏であっても南向きなら日差しが部屋の中に直接入ってくることはありません。
逆に冬は太陽が低い位置にあるので真昼に日差しが入ってくることになります。
しかし、東向きや西向きはどうでしょう。朝や夕方は真夏といえど太陽は角度が低いので、庇に関係なく部屋の中に日差しが入り込んできます。
真夏の東向きで直射日光が入ってくる部屋は、エアコンが壊れたのかと思うくらい朝暑くなりますし、真夏の西日は説明するまでもなく、特にキツいことで有名です。しかし、逆に言えばデメリットはそんなもの。あとは洗濯物が乾きにくいくらいでしょうか。
30年間で快適代450万円を割れば、年15万・月1.25万・日あたり411円となります。
うーん、絶妙なところですね……。我慢しようと思えばできるし、これくらいなら払ってもいいかもとも思ってしまう。絶対にこだわりたい人にとっては、なんなく払えるお値段かもしれません。
賃貸物件では賃料差がほとんどない!
あ、このシリーズは20代上京サラリーマン男子向けでした。
さっきまでの話は、新築分譲マンションのお話。実は、20代上京サラリーマン男子が住む賃貸住宅において、南向きとそれ以外、もっといえば階数による賃料差ってのは、マンションのお値段ほどの差はつきません。
ですから、賃貸で借りるなら、なるべく南向きで眺望の良い高い階数を選んだほうがまぁお得かも、ってことになります。
実はもうひとつあります。新築マンションにおける快適さのお値段は、中古マンションになると半額程度に下がって評価されます。ちょうど、車のカーナビやステレオのオプションがほとんど評価されないのと一緒です。
南向きにこだわりたいけど、新築マンションだとちょっと値段が気になるって人なら、目線を替えて中古マンションを探すと、お得な買い物ができるかもしれません。
いつか家を買う将来のために覚えておいて損はないテクニックです。
<TEXT/のらえもん>