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同僚の女性に「プチ整形」を明かした21歳男性。嫌な思い出と決別できたのか

コラム

 嫌な過去というのはできるだけ忘れたいものですし、できればなかったことにしたいと考える人も多いのではないでしょうか? けれど嫌な過去の思い出が、いまの自分をサポートしてくれることもあるかもしれません

鏡を見る男性

画像はイメージです(以下同じ)

 上原瑞希さん(仮名・当時21歳・男性)は幼少期から、中性的な名前に似つかわしくない外見だとからかわれる辛い日々を送っていました。思春期になり、「社会人になったら自分のことを誰も知らない県外へ行き、プチ整形をして新しい人生を送る!」と決意します。

プチ整形をして地元から出た男性

「高校の時にはアルバイトをし、そのあと2年は資格が取れるような地元企業に就職してお金を貯めました。そして、念願の県外で1人暮らしをはじめたのです。就活のときにはすでに整形していましたし、履歴書にも整形後の写真を張り付けて応募しました」

 そのため、以前の上原さんを知る人は誰もいません。県外での勤務1日目には、やっと新しい人生のスタート地点に立てたと感慨深く、帰宅後には自然と涙していたのだとか。整形したことで自分に自信がつき、入社式でも堂々と振る舞えたのです。

「それに、女性たちの反応が以前とはまったく違っていて、今後のことを想像すると期待が膨らみました。研修が終わって本格的に働くようになると、同僚たちが高嶺の花と騒ぐA子さん(当時20歳)ともいい感じで話が弾み、周囲からは羨ましがられていたんです」

女性の容姿の悪口を言う同僚にからまれて

会話

 上原さんが「あともう少し距離が縮まったら食事に誘ってみよう」と思っていたある日、職場で同じチームを組んでいた男性社員2人と残業することに。最初は真面目に仕事をしていましたが、そのうちの1人が女性社員のことを話題に話しはじめます。

「最初は、『A子はカワイイ』などポジティブな内容でした。でもそのうちに、A子さんといつもいっしょにいるN美の存在が鼻につくという話に。自分たちだけしかいないという状況もあってか、会話はヒートアップし、『N美って、ブサイクだよな』と言いはじめたんです

 2人の会話を無視して仕事に集中していた上原さんでしたが、N美さんの外見を貶しては嘲笑う姿に怒りが込み上げてきたのだとか。同時に、職場で目立つ存在であり発言力もある2人に言い返すことで、「過去の自分について気づかれ、暴露されたら……」と怖くなります。

「でも、外見を貶されるツラさは痛いほど経験していましたし、N美さんが真面目できちんとしている人だということもよくわかっていました。僕自身、仕事でサポートしてもらったことも多く、感謝していたんです。だから、N美さんを悪く言う2人に腹が立ちました

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