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同僚の女性に「プチ整形」を明かした21歳男性。嫌な思い出と決別できたのか

コラム

つい反論すると後ろに本人が…

引っ越し

 そして、「そうかな? N美さんは頭の回転が速いし、しっかり者で仕事も頼みやすいよ。外見だけを見て悪口言うとか、最低だと思う」と勇気を出して猛反発します。そのとき、物音がして一同ビクっとなり振り返ると、そこにはA子さんが立っていたのです。

「A子さんは、『ごめん、聞くつもりじゃなかったんだけど…』と、忘れ物を取りに来たことを話してくれました。その場にいた全員が気まずい感じになって、A子さんは忘れ物を探すと無言で退室。男性社員2人は『うわーっ、びっくりしたぁ!』と盛り上がっていました」

 翌日、たまたまA子さんと給湯室でいっしょになった上原さん。気まずいと感じ、早く給湯室から立ち去ろうとします。けれどA子から、「私ね……人の悪口言う人って苦手で。上原くんのこと、ますますいいなって思っちゃった」と、逆告白されたのです。

「一瞬、何が起こったのか、何を言われているのか理解できませんでした。気づけば僕は、無意識にA子さんのことを呆然と見つめて立っていたようです。しかも、目がかなり乾燥していたので、A子さんをすごく凝視していたのだと思います」

整形していることを明かしても「好き」

 そんな上原さんの目をジッと見つめるとA子さんは、「上原くんとは話が盛り上がるし、前からいいなって思っていたんだけど、昨日のことがあって、すごく好きになっちゃった。上原くんの彼女になる人って、幸せだね」と言ったのです。

「驚きでした。ビックリしすぎて思わず、『いや、でもあれは……』と、自分が整形していることを暴露してしまったのです。終わったと思いましたが、A子さんは『そんなこと関係ない。きちんと人の中身を見て評価できる人って素晴らしいと思う』と大絶賛してくれました」

 2人はめでたく付き合うことになり、いまでは結婚を前提に同棲中。上原さんは「過去の嫌な経験や想いがプラスに働くこともあるのかと、嬉しく感じた」と話してくれました。消し去りたいような過去の経験が、いまの自分にとっていい方向に作用することもあるかもしれません。

<TEXT/山内良子 イラスト/zzz(@zzz_illust)>

特集[残念な引っ越し体験]

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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