行列ができる野菜炒め専門店。野菜の強みを活かした店舗作りが実を結ぶ
ベジ郎誕生のきっかけは
彗星のように登場したこの人気店を運営するのは、全国約5000店舗もの飲食店に野菜の卸売をする株式会社フードサプライだ。べジ郎を出店する経緯を尋ねると、コロナの影響が大きいという。
「コロナの影響で飲食店が休業し、野菜を卸している弊社の売り上げも通常の20%に満たない日が何日もあったんです。飲食店も困っていましたし、卸す量が大幅に減少してしまった生産者さんも大変な状況でした」(向井昇氏)
苦境を打破するために、野菜を売り出すのアイデアとして巣ごもり需要にアプローチする「ドライブスルー八百屋」などを実施。飲食店も徐々に営業を再開しはじめたことから、次の一手として「ベジ郎」が誕生したのだという。
「街に人が戻りだしたとはいえ、コロナ以前の状況に戻るのは難しいだろうと想定していました。そうした状況を踏まえて『野菜を多く消費できる形を自分たちで作ってみよう』という結論に至り、生まれたのがベジ郎です」
サラダバーという案は出たけど…
野菜を多く食べてもらえる飲食店として、最初に思いつくのはサラダバー形式の店舗がイメージされるが、なぜ「肉野菜炒め」だったのか。この点について向井氏は次のように話す。
「確かに社内の会議でもサラダバーという案は出ました。ただ、サラダって大量にはなかなか食べられないですよね。そこで加熱して提供する方法を色々と模索した中で、野菜を主役にして満足感が出せる肉野菜炒めに行き着いたんです」