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10日間飲まず食わずの失業者も…ホームレスにも広がる「貧困格差の実態」

ビジネス

長年培ったコミュニティを大切にする男性

 夜の池袋駅、足を引きずるようにして歩く男性に声をかけた。コンビニにカップ焼きそばを買いにいく途中だったAさんは「収入は全然ないよ。でも食べ物とかは炊き出しとかあるし、持ってきてくれる人もいる」と語る。

 たしかにその手には食料の入った大きな紙袋が握られており、十分な食料を持っていた。池袋駅に長年住んでいるAさんは、以前は別の地域を転々としていた。新宿にいた時は毎年、明治神宮まで初詣に行かれていたそうだ。東京にはお兄さんを頼って来たそうだが、音信不通となり今では池袋での生活が板についている。

「いつまでもこんな生活していられないけど、施設に入ったり、アパート借りたとしても1人だとつまらないから

 長年ホームレスをしていると顔見知りも増え、なかなかよそにはいけないらしく、「誰かと話したいというのが1番だね。そうじゃないと変な事考えるから……おかしくなっちゃうからね」と、1人暮らしをしない理由を語ってくれた。

 炊き出しの利用頻度も低いそうで「大体みんなもらいにいかないよ炊き出し。あんまりおいしくないから。たまに好きなカップ焼きそばを買うのが楽しみ」と語る。

20歳から路上生活、ホームレス歴40年

ホームレス

ホームレス歴40年の大ベテランの佐藤さん

 新宿駅南口、大型のショッピングモールが立ち並ぶ施設付近で路上生活をしていた男性・佐藤さん(62歳)。20歳の頃から仕事をしては辞めてを繰り返し、ホームレス歴は40年近くになる。

「収入のほとんどは通りすがりのひとからもらっていて、多い時だと日に3000円くらいかな。食べるものも差し入れてもらってるよ」と語る。月3万~4万円の収入を得ているそうだ。路上生活をしていて困る事は特にないそうで、お金を使うのはタバコと食費のみ。今の生活が性に合っている様子だ。

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