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話題の早期退職「FIRE」を実現させるには?今の会社でもっと稼ぐ方法を

コラム

 転職をして年収増をもくろむのは当然考えるべき選択肢のひとつです。しかし好条件の転職がすぐ決まるとは限りません。今の会社のままFIREを目指す可能性をおろそかにしてはいけません。まずは自分の会社で年収をより多くする方法を模索してみましょう

年収

※画像はイメージです(以下同じ)

「FIRE」とは十分な貯蓄と、投資による運用益で、早期退職を目指すムーブメントのことで、アメリカで誕生し、日本でも徐々に認知されつつあります。

 話題の新刊『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者で、ファイナンシャルプランナーでもある山崎俊輔氏が解説します(以下、同書を一部編集の上、抜粋)。

昇格レースという「ゲームのマニュアル」を読め

 さて、あなたの会社で、昇格はどういった条件で実現し、昇給はどの程度行われるか即答できるでしょうか。そういう人はまれです。

 ある程度ちゃんとした会社なら、昇格昇給のルールはどこかに明文化されているはずです。人事制度というのは「公正な評価」を行い、評価にもとづき「公正な処遇」をし、かつ処遇にもとづく「公正な報酬」を支払うためにルールがつくられています。まともな会社は、このサイクルが機能しているか常に気を使ってアップデートを繰り返しています。

 ところが社員のほとんどは、自分の年収を決定づけるルールブックに目を通してもいません。「就業規則」「給与規定」などのルールブックを読まず、社内でキャリアアップを目指すというのは、ゲームのマニュアルを読まずに最短攻略を目指すようなものです。

 最近のスマホゲームなどはマニュアル抜きで遊べるように配慮されていますが、あなたの会社の昇格昇給ルールのチュートリアルはないと思ってください。そして今の職場で年収を増やす努力を抜かしてFIREに挑むことはあり得ません。まずは社内の規定をチェックし、自分の年収を増やすルールを知ることが第一歩です

タダで資格を取って月数万円の資格給を!

日本版FIRE超入門

『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 まず最初に、手軽に実行できて、チャンスがあれば確実に昇給を手に入れられる方法があります。それは「資格給」です。

 賃金規定をチェックしていると、資格給の項目を見つけることがあります。業務に役立つ特定の資格を取得したら資格給として給与に上乗せされるというものです。国家資格で仕事に必須である場合などは業務上取得するよう強く指導されますし、全社員の取得がノルマとなっている資格はみんなが取得を目指すことになるでしょう。そうした資格はもちろんのこと、「それ以外の資格」にも目をやってみます。

 たとえば、金融機関の職員が「ファイナンシャルプランナー(ファイナンシャルプランニング技能士)」を取得しろと指導されたとします。しかしよく見ると2級と1級では資格給が月1万円違っていたり、証券アナリストや簿記など別の資格にも給与アップの規定があったとしたら、資格を取るほど給料がアップすることになります。

 さらに規定を読み込んでいると、「受験費用」「受験対策講座の受講やテキスト購入」などの一部ないし全部について助成金が出ることもあります。うまくいけば無料で資格をとって、年収がアップするのですからこれらの制度を使わない手はありません。要件を満たせば雇用保険の教育訓練給付金も受けられます。

普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門

普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門

自分らしい「早期リタイア」を実現する。人生100年時代の稼ぎ方・貯め方・増やし方

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