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まるでアメフト&ボクシング界…会社を“オレ様帝国”にするパワハラ上司

学び

「さらにしんどいのは、最初は渋々従っていた取り巻き連中も、次第に狂っていくんですよ。虎の威を借る狐というか、感覚がマヒして『自分も好き勝手やっていい』と思い込んでしまう。

 虎の横にいれば同じように怖がられますし、自由がききますからね。でも彼らも生き抜こうと必死になるうちに、自然と染まってしまったんでしょうね……」

決まって最後は根拠のない精神論

パワハラ

 自分たちに盾突く部下は排除し、さらに仕事ができる部下も嫌うという王様と取り巻きたち。

有能な部下は頭の回転が速いので、自分たちの思い通りに従わないんですよ。だから、切る。『こうやったほうが効率がいいのにな』『仕事の幅を広げられるのにな』と口を出しても、会社の業績や部下の育成はハナから頭になくて、いかに“自分たちが快適に過ごせるか”が最優先なんです」

 陰口や罵倒、仕事の押し付けや責任転嫁をされても、決まって最後に言われる言葉は、「すべてはお前のためになる」「愛のムチだ」という根拠のない精神論だといいます。

「胃が荒れて血を吐いたこともありましたが、自分のためになってる、なんて思ったことは一度もありません」

 最近は信頼できる他部署の上司を通じて、現状を訴える社員たちの声が目立ってきたといいますが……。

 弱いほど権力や強い言葉を使いたがる、“裸の王様”は、私たちの近くにも相当数潜んでいるようです。

<TEXT/青山由佳 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

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