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西友とイオン「東西スーパーの歴史的な店」が閉店した深いわけ

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世界唯一!超老舗スーパーも閉店

 そして、この秋に歴史に幕を下ろしたもうひとつの「超老舗スーパー」が、9月30日に閉店した京都の「イオン東山二条店」だ。

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「売りつくし」の文字が並ぶイオン東山二条店(京都市東山区)

 この店舗は「イオン」やその前身「ジャスコ」として開店した店舗ではなく、もともと「シロ東山二条店」として1968年6月26日に開店した。ちなみにこの日は、東京・小笠原諸島がアメリカから日本に返還された日でもある。日本の首相は佐藤栄作、そして米国大統領はジョンソンであった。

「シロ」は大阪府に本社を置く地場スーパーであったが、東山二条店の開店直前・6月10日に「オカダヤ」(三重県)、「フタギ」(兵庫県)と共同出資による新会社設立に調印。9月5日には社内公募により新会社の名称が「日本ユナイテッド・ストアーズ株式会社(Japan United Stores Company=ジャスコ)」に決定。

 翌年の1969年2月には新会社が設立され、各社の新店舗は「ジャスコオカダヤ」「ジャスコフタギ」「ジャスコシロ」を経て同年10月からは「ジャスコ」となった。

「ジャスコ誕生前」から営業するイオン

 現在はアジア各国に店舗を構えるイオングループであるが、すでに「オカダヤ」「フタギ」として開店した店舗は全て閉店しており、この東山二条店はイオングループ最古の、そして世界で唯一「ジャスコができる前の時代」から同じ建物で営業を続ける歴史的店舗となっていた

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「シロ」の店名を掲げていた頃。(イオンニュースリリースより)現在の店頭と殆ど変わらない

 店舗のスクラップアンドビルドを推し進めることで成長を遂げたイオンだけに、ジャスコ生え抜きの古参店舗は意外と少ない。

 イオン東山二条店の閉店後に「ジャスコ→イオン最古の店舗(ダイエーなど除く)」となったのはイオン佐世保店(1974年開店)であるが、同店も2022年2月での閉店を決めているため、これにより「昭和40年代以前に開業した旧ジャスコのイオン」は全て姿を消す。このことからも「イオン東山二条店がいかに古い店舗であったか」が分かるであろう。

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ジャスコ→イオン最古の店舗となっているイオン佐世保店(長崎県佐世保市)も閉店を決めており、昭和40年代以前に開業した旧ジャスコの店舗は姿を消す

(余談ではあるが、現在イオングループ入りしているダイエー・旧ダイエーの店舗を含めると1969年9月に開業した「ダイエーグルメシティ西明石店」(兵庫県)が現存最古となる)

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