好みのコーヒーをレコメンド「AIカフェロボット」を22歳CEOが世に送り出すまで
無人化ならではの苦労もあった
root Cプロジェクトを進めていたものの、無人化ならではの苦労もあったようで、「ハード面、ソフト面含めて課題はありました」と話す。
「人力で解決したら簡単なことも、無人化にすることで課題になるということはあります。例えば夏にroot Cを設置していたのは正式サービス後初めてだったのですが、予想以上にアイスコーヒーが出て氷の生産が追い付かないということもありました。あらかじめ考慮はされていましたが日本の夏は思ったよりも暑かったですね(笑)」
「また、マーチエキュート神田万世橋のステーション(設置場所)では、ラテも販売しているのですが、売れ行きがよくミルクがなくなってしまったこともあります。常に人がすぐそこにいれば補充もできますが、そこは無人がゆえの課題点でもありますね。しかし、今後どんな課題が出てきても必ず解決していきます」
喫茶店で1杯1000円以上のコーヒー豆を使用
ちなみに、AIカフェロボットは20個のロッカーがあるが、一気に注文することで満杯になってしまうのではないか?
「一定時間が過ぎてしまうと廃棄になります。コーヒーは豆を挽くところから調理を行いますが、提供時間の調整などで理論上、ロッカーがいっぱいになることはありません」
取材した2021年9月時点でホットコーヒーとアイスコーヒー、ラテメニューで約20種類のメニューがある。初めて使う人にとってどれを選べばよいのかわからないだろう。そこで開発したのは「root C MATCH」という機能。アンケートに答えて自分にあったコーヒーの味を選んでくれるそうだ。
「我々が販売しているコーヒーは、豆がまだ収穫されていないときから、徹底管理された『スペシャルティコーヒー』を使っています。スペシャルティコーヒーは苦いものや酸っぱいものなど個性的なものが多いのですが、喫茶店で飲むと1杯1000円以上することも珍しくありません」