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阪神の熱狂的ファンの会社員、同僚の巨人ファンに煽られて深刻な状態に

コラム

阪神の不調で情緒不安定に

職場 ケンカ

「職場の同僚で、大の巨人ファンもいましたし、『アンチ阪神』という人も別にいて……。自分の仕事がうまく行っていることへの嫉妬もあったのか、彼らが大人げなく自分の耳に聞こえるように『巨人勝ったね』なんて、わざとらしく話してきて。当初は自分も大人ですし、聞き流していたのですが……」

 事態は最悪な方向へと流れていきます。

「2008年、阪神が前半戦好調で、オールスター前にマジックが点灯し、優勝を確信していました。ところが後半戦になると負けが混み、2位巨人と激しい優勝争いへ。猛追する巨人の勢いが凄まじく、内心焦っていたところで、巨人ファンの同僚から『阪神調子良さそうだね』と煽られて、完全に頭にきてしまって。その場で口喧嘩になってしまいました。また、客先でも今まで話したことがないような人から、阪神の調子の悪さを指摘されて、さすがに怒れなかったですが、情緒不安定になってしまっていました」

「メークレジェンド」と呼ばれる大逆転優勝を

 結局、阪神タイガースは優勝を逃し、巨人が「メークレジェンド」と呼ばれる大逆転優勝を果たします。すると田中さんは怒りが頂点に達し、しばらく不機嫌な日々が続いたそうです。

「巨人ファンからは煽られるし、お客様からは『残念だったね』と声をかけられるし。なんだかうんざりして、会社でも気持ちの切り替えができなくなってしまって。暗い気持ちで働いていたら、上司に呼び出され、『そこまで一喜一憂するならもう野球を見るのをやめるように』と命令されました。

 その後、いろいろ考えましたが、やっぱり自分は阪神が好きで、阪神がなければ生きていけないと再確認。しかし、阪神ファンを公言してしまったことで、徐々にデメリットが増えてきて、疲れてしまい、転職しました。現在の職場では野球に興味があることすら隠して生活しています」

 阪神タイガースに熱くなりすぎてしまい、思わぬ方向に進んでしまった田中さん。趣味に熱くなることも、ほどほどに。

<TEXT/佐藤俊治 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

-[若者の「趣味で痛い目に遭った話」体験談]-

複数媒体で執筆中のサラリーマンライター。ファミレスでも美味しい鰻を出すライターを目指している。得意分野は社会、スポーツ、将棋など

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