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「2か月以上も自宅待機」若手建築家に聞く、ロックダウン下のベトナムの現状

ビジネス

いちばん大きな学びは、“早期失敗”の精神

山田貴仁さん

路上でPCR検査が行われている

 最後に20代の大半をベトナムで過ごした山田さんに読者に向けてメッセージをもらった。

「ベトナムで得たいちばん大きな学びは、“早期失敗”の精神です。考え抜いた末、それでも失敗する経験の大事さです。この国に来て以来、物事がすんなりといった試しがありません。あれほど試行錯誤した設計図が、現場に行くと全く無視されて施工されるのを見たとき、初めて、最初からうまくやることを諦めることができました。そこで誰かを怒るよりも、とにかく早く失敗して、改めて皆でより良いものを目指すことが楽しいと気づきました

 失敗は恥ずかしいことかもしれませんが、誰かと一緒にする失敗はとても楽しいんです。これは日本で堅実な人生を歩んできた自分には決定的な体験でした。海外に無理に行く必要はありません。まずは、うまくいかないことを楽しめる人と環境を皆さんの周りに作ってほしいなと思います

<取材・文/テラウチマミ 写真提供/山田貴仁>

中央大学卒業後は金融系、医療系の会社に勤務。「暑い国に住みたい」と勢いで2014年よりベトナム在住。現地日系旅行会社を経て、現在は現地サービス業とライター業をしている。著書『癒しのビーチと古都散歩 ダナン・ホイアンへ』をはじめ、様々なメディアへ寄稿中

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