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元うつ病の起業家が教える「同じ会社で給与の高い仕事」に就く方法

学び

「真のキーパーソン」を見極める

書籍

『うつでも起業で生きていく』林直人

 また、そもそもクリエイティブワークができる人材というのは100人いたら1人いるかどうかというレベルの逸材です。スタッフ全員にそれを求めるのはもはや虐待に近く究極のブラック企業が爆誕してしまいます。世の中にはほどほどの収入で「ライスワーク」「オペレーションワーク」を行い、ぼちぼち暮らすのが好きな人もいるのです

 もうひとつは、「必ず創業社長(少なくとも経営に関する決定権がある経営幹部)と1:1で」給料交渉を行うことです。できれば創業社長であることが望ましいですが、会社というのは、往々にして社長が経営上の実権を握っていないことがあります。わけのわからない相談役がいたり、「会長」という登記簿にも株式名簿にも載っていない謎の人物がいることがあります。だれが真のキーパーソンかを見極めて政治をする必要があります

 その上で、創業社長であれば、あなたの話はよくわかるはずです。創業社長だって、最初は他の会社で働いていて起業した人が多いはずです。大抵の場合は、特別に人徳があったから起業したわけではありません。

 そういうふうな人間ですから、最初は周りのスタッフに「金払うからこれをやってくれ」という様子で頼むのですが、世の中の大半の人はさほどお金に執着がなく、ぜんぜん乗り気ではないので、途中で諦めて、とりあえず相場ぐらいの給料を払い、そこそこ働いてもらっていることが多いのが実情です。

 そういう創業社長にとって「給料上げてくれ、クリエイティブワークをやって業績を爆アゲさせるから!」という部下からの打診は、ちゃんと実績さえ残してくれればこんなにありがたいことはありません。

「リスクテイク度」でわかるキャリアの方向性

お金 天秤

 給料アップした上で、さらに上を目指して起業するか転職するか、転職するとしてどれぐらいの給料アップを希望するかは、あなたの「リスクテイク度」によって異なります。リスクテイク度は主に、

(1)短時間しか働けないし、身銭も切れない
(2)長時間働けるが、身銭は切れない
(3)短時間しか働けないが、身銭は切れる
(4)長時間働けるし、身銭も切れる

 の4種類に分かれます。この中で、「(1)短時間しか働けないし、身銭も切れない」人が収入をアップさせることは基本的にできません。もうすでに「薄給うつ」がひどく、たくさん金をもらってもうつが治らなそうな人は、「(3)短時間しか働けないが、身銭は切れる」をめざすべきです。

 また逆に福澤諭吉を見た瞬間うつが治るタイプの方は「(2)長時間働けるが、身銭は切れない」を選び、会社勤めで高収入を目指すのもいいでしょうし、「(4)長時間働けるし、身銭も切れる」で自分の会社を持ちながら収入を最大化させることに挑戦しても良いでしょう。

 また、定期的に長時間働くこと(月曜日~土曜日毎日朝8時~夜8時まで)はできないが、気が向いた時なら徹夜覚悟で仕事できる人は「(4)長時間働けるし、身銭も切れる」タイプの中に入ります。そういう人は起業しましょう

 ただ、普通に起業すると毎日決まった時間に安定して働かなければならなくなりますので、そういう方におすすめの起業法が私が提唱する「うつ起業」です。YouTube、Google、Amazonなどに自分の知的財産を貯めながら、「24時間365日働く自分の分身」を作り、分身に稼いでもらうのが「うつ起業」の真髄です。

<TEXT/起業家 林 直人>

1991年宮城県生まれ。仙台第二高等学校時代にうつ病を患いながらも、独学で慶応義塾大学環境情報学部に入学。在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗する。その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」を設立し、現在に至る。著書に『うつでも起業で生きていく』(河出書房新社)など
Twitter:@everydayjukucho

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