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発達障害の私がやっているライフハック。「休憩」で仕事モードのON・OFFを

学び

15分の公園散歩は、抗うつ剤1回分の効果あり?

女性 散歩

 一度過集中に突入すると、視野が次第に狭くなり、最終的に“点”になります。最初は映画館のスクリーン全体が視界にあったのに、いつのまにか中央部分に映っている主人公の顔、しかも鼻しか見えなくなっているようなもの。

 このように周りのものが見えなくなってしまう状況を防ぎ、過集中の沼にどっぷりとハマらないために大切なのが、休憩です。作業と休憩を1セットにするのが基本です。例えば、90分間作業したら15分間の休憩をはさみましょう。その休憩の時間も、先に挙げたスケジュール表に、しっかり書き込んで、あらかじめ時間を確保してください。

 休憩中といっても、スマホをダラダラ見たりするのではなく、できれば体を動かすことをおすすめしています。体を動かすことで血流が良くなって、脳の負担を軽減し、ネガティブな気持ちを取り去ることができるからです。

 腕を回す、片足上げ10秒、鉄棒に30秒ぶら下がるなども良いですが、ぜひ取り入れてほしいのは、近所にある公園の散歩です。緑を見ながら「紫陽花が咲いているな」「窓からだと暖かそうだったけど、風が思ったより冷たいな」などと周りに意識を向けるだけで、ポジティブな気分になれます。実際、15分ほどの公園散歩が、抗うつ薬1回分と同じ効果があるという研究結果もあるほどです。

 過集中は諸刃の剣ですが、休憩をはさみ、上手に睡眠をとることでコントロールできるようになります。そして、ずば抜けた集中力の持続性を維持するには体力があってこそ。体をこまめに休めることで、その力が枯渇しないようにすることも肝心です。

<TEXT/ASD当事者・コーチングのプロ 銀河>

上智大学卒。ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)の当事者。新卒で営業としてキャリアをスタートするも、約1年でうつ病を発症。入社満3年で退社し、会社の同期が設立したCare Earth(株)に入社。キャリアや生活で悩む発達障害の人へのアドバイスなどを中心に、コーチングも行っている。初の著書は『「こだわりさん」が強みを活かして働けるようになる本
Twitter:@galaxy_career

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