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ユニクロ、ニトリetc.「小売業界」の口コミから見る、社員の働きがい

ビジネス

ユニクロとニトリ社員の口コミ

ユニクロ

ユニクロ店舗 ©Tobias Arhelger/Dreamstime

 イメージがつかみやすいよう、口コミ数上位の中で「20代成長環境」観点で評価が高い企業のコメントと、「20代成長環境」観点が低めの企業のコメントをご紹介しましょう。

【平均評価が高い:ユニクロ社員の口コミ】
(販売員、在籍3~5年、男性)

働きがい:全員が経営者の視点を持ち働く考えを持つ必要があります。その上で、商売の計画を立て、それに向け準備し、実行する。それを踏まえて学び、計画を立て実行するPDCAサイクルを回す仕事だと思います。日々計画した数字との戦いで、そこに商売の楽しさを見出せるかどうかだと思います。そして、その中でそれぞれの業務に対する評価基準が設けられ、昇格を目指して働きます。

成長・キャリア開発:社内には様々な部署があり、それぞれ募集があれば、自由に手を挙げて選考に進むことができます。ただし、最低限のランクを設けていることも多く、商売の現場である店舗である程度の活躍をすることも求められる場合が多いと思います。

【平均評価が低い:ニトリ社員の口コミ】
(店舗、店舗運営部、フロアマネジャー、在籍5~10年、男性)

働きがい:まったくない。自分がなにをしても会社に影響を与えられてるとは思えない。本部からの指示をただこなすだけ。本部の指示をこなすのが仕事ではあるが、その中で自分のやるべきことを発見して取り組むことが重要である。

成長・キャリア開発:成長はまったくしない。店長になってからようやくビジネススキルが身につくと思う。それまではバイトリーダーのようなことをひたすら行なうだけである。

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「働きがい・成長」のクチコミの中から選定しました。働きがい=現場業務の納得感であることがうかがえます。ユニクロも、ニトリも現場業務としては大きく変わらないようですが、「本部から指示が下りている」と捉えるのと「自分でPDCAを回して改善している」と捉えるのでは見え方が大きく変わってくるのだと思われます。

小売業界の比較結果

 ここで、まとめに入ります。口コミ数上位9社の比較結果を表にまとめると下記のようになりました。「OpenWork」内の情報(残業時間・有休消化率)と、各社の有価証券報告書・決算短信・公式サイト掲載のデータ(収益・当期利益・平均年収・従業員数)を使って比較してみます。

小売

表 1 小売(百貨店・専門・CVS・量販店)業界上位9社の比較表(筆者作成)

 小売(百貨店・専門・CVS・量販店)業界の場合、クチコミ数上位企業の決算期は2月・8月に集中している傾向があります。これは事業の閑散期に棚卸・決算業務を集中するためのものです。なお、ファミリーマートは期の途中で上場廃止したため、売上・利益を単純比較できない点に注意が必要です。

 また、記事中で比較した「法令順守意識」「20代成長環境」スコアの「順位」も掲載しています。「法令順守意識」についてはランクインしている企業が多いものの、「20代成長環境」については圏外となっている企業が多いです。

 ヨドバシカメラ・ワールドストアパートナーズ以外は、有価証券報告書提出会社または、重要な事業子会社であったため、売上・利益については、有価証券報告書で確認可能でした。

 各社の特徴をさらに把握するために、クチコミのうち、「企業分析[強み・弱み・展望]」カテゴリを中心に各社の花形事業など、各社の特徴・カラーがわかるクチコミを集めました。

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