bizSPA!フレッシュ

既製品とオーダースーツ、結局どっちがいいのか。オシャレに着こなす技術

キャリア

「いつかは、オーダースーツを作ってみたい」と思ったことがある人もいるのではないでしょうか。「そもそも既製品とオーダーはどちらがいい?」と聞かれても、価格や好み、洋服選びにかける時間などから、人それぞれの答えがあると思います。

ファッション

「アステッドコーキン」の店内

 時代とともに変わるファッション、その中で「スーツ」は流行でデザインの変化はあっても、今後も欠かせない定番のアイテム。スーツに「着られる」か「着こなせる」か。

 今回は既製品、オーダースーツとスーツ販売20年以上、7万人以上のコーディネートの経験がある、オンラインオーダースーツ専門ブランド「アステッドコーキン」のブランドマネージャーである筆者が「既製品とオーダースーツの違い」から、どのような人が、どの視点で既製品やオーダースーツを選ぶとよいかをお伝えします。

既製品とオーダースーツの違い

 みなさんご存じのように既製品のメリットはその場で試着ができて、すぐに手に入ること、オーダーのメリットは、自分好みにカスタマイズでき、体にフィットするスーツになることです。

 一方で、既製品は、サイズ、デザインなど全てのことが好みに合うものに出合うことは難しく、形、色、柄、そして値段とどこを優先し、どこを妥協するかを選択するようになります。また、既製品のデザインは流行りにも影響され、例えば「三つボタンがなくなった」と、一番のお気に入りポイントのデザインが変わったということもあります。

 また、オーダーは生地からつくるため、仕上がりの想像ができなくてはいけません。そして、その場で手に入らず、デザイン、布地などを決めるまでの時間と、仕立てる時間がかかります。

全体のシルエットを綺麗に見せるには

 細身でスタイルの良い人は、どの洋服を選んでもかっこよく見えますが、最近では身体を鍛えている人も増え、“イレギュラー体型”で洋服を選ぶ際にも苦労している人も多いのではないでしょうか。現在はビジネススーツのパンツは細身が主流ですが、細身のパンツが必ずしも皆に良いわけではありません。無理に細身を選び、“パツパツ”になって不格好ということになります。

「お腹が出てきた」「身体を鍛えたら胸囲や腕が太くなった」「スポーツをしているのでお尻と太ももが太い」などで、上半身と下半身のサイズが違うということも。スーツは上下セットであり、既製品ではパンツをワンサイズ上げる、上着をワンサイズ上げるなど、一番大きい部分のサイズに合わせないといけません。

 パンツのサイズの選び方は「お尻から太もものライン」が綺麗に見えることがポイントです。お尻から太もものラインが綺麗に見えることで全体が綺麗に見えます。お尻、太ももに合わせて選び、その後にひざ下と裾を直します。

「お腹が出ている」人はウエストから合わせますが、ウエストのサイズが大きくなると、その他の部分も比例して大きくなります。既製品を綺麗なシルエットで着たい場合は、ウエストで選び、お尻と太ももを合わせ、そしてひざ下、裾と、全体のお直しが必要になります。

ファッション

太ももを合わせ、ひざ下と裾を直せば既製品でもキレイに

「足を長く見せる」ためのコツ

「足を長く見せたい」人からは「パンツの丈を長くしたい」という相談もあります。しかし、これは実は逆効果で、裾周りをすっきりさせたほうが足が長く見えることがあります。

 パンツのひざ下前にできるしわを「クッション」と呼びますが、この「クッション」は、あっても「1クッション」と言われており、2クッション、3クッションとなると、とても野暮ったく、足が短くみえる原因になります

ファッション

パンツのひざ下前にできるしわ(クッション)は1つまで

 また、上着は肩幅で合わせると思っている人もいるかもしれませんが、実は「胸囲」で合わせること、「横を決めて縦を合わせる」が基本です。胸囲が太い人は、胸囲サイズで既製品を選ぶと袖や丈が長くなり“借り物”に見えたりします。

ファッション

上着は肩幅ではなく、胸囲で合わせる

 袖はひじのラインを考えて作られているため、袖の長さを詰めすぎるとひじの位置に違和感が出ます。また、ジャケットの着丈を詰めると一番困るのは“ポケットの位置”です。

イギリスとイタリアの様式

 1つだけ服の力を借りるとしたら、いつも私は次のようにアドバイスをしています。「がっちり体型やふくよかな人はイタリアのデザインが良いですよ」。

 イギリスのデザインは肩パットが入っているなど「かっちり」したものが多くあります。

 一方で、イタリアのデザインはやわらかく、肩パットが入っていないものが多く、まるいシルエットになっています。筋肉質の人にはおススメのデザインです

【イギリススタイル】

ファッション

イギリススタイル①

ファッション

イギリススタイル②

【イタリアンスタイル】

ファッション

イタリアンスタイル①

ファッション

イタリアンスタイル②

リモートワークでオシャレに着こなす

 コロナ禍で進んだ“リモートワーク”。スーツには着替えなくても、あまり普段着過ぎてもいけないと、リモートの相手によってはジャケットスタイルを選ぶこともあるのではないでしょうか。

 スーツのジャケットにTシャツやカットソーを合わせる方もいるかと思いますが「かっちり」したスーツを着くずすことは向いていません。上手に着崩すには、肩パットが入っていない柔らかいフォルムのジャケットを選びます。

 また、ジャケットにスニーカーというスタイルも増えていますが、その際は裾がすっきりしたテーパードのパンツが、よりスタイリッシュでオシャレでしょう。

既製品とオーダースーツ、どっちがいい?

スーツ

 イレギュラー体型ではなく、スタイルの良い人は既製品からスタートし、会社で、ある程度上の立場になった時には、生地の柄や仕立ての良さなど、部下とは違った着こなしができるようオーダーにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。オーダースーツは「高い」というイメージを持っている人もいるかと思いますが、最近ではオンラインで注文できるオーダースーツも増えています。金額はブランドによって異なりますが、セットアップで5万円台のものもあります

 はじめてオーダースーツを仕立てる人は、1着目は完璧なものではなく、試してみるという気持ちで、2着目、3着目に一番のお気に入りを仕立てることを目指すほうが良いです。1着目で仕立てるお店、デザインだけでなく身体に合うかどうかを確認します。

 これは既製品にも言えますが、首から肩にかけての傾斜が自分の身体に合っていないと、肩や首だけに重心がかかり、疲れるスーツになります。また、ラペルと首の間の “襟みつ”の部分が身体と洋服の間に隙間があると、肩幅が合っていない、洋服が外に引っ張られている状態です。首から肩にかけてのしわや、胸の襟が浮いていたら、再度採寸したほうがよいでしょう。

 イレギュラーな体型だからといって駄目だということはなく、例えば無理に足を長く見せようとしたり、体型を細く見せようとせず、ご自身の体型を活かした綺麗なシルエットをつくることが大切です。シルエットに拘る人は既製品のスーツを直すより、自分に合ったサイズでオーダーすることをおすすめします。

<TEXT/「アステッドコーキン」ブランドマネージャー 伊東貴典>

オンラインオーダースーツ「USTED KOUAHKINN(アステッドコーキン)」ブランドマネージャー。前職はセレクトショップでの販売20年以上、7万人以上の方に接客。この歳になったからこそ休日でもジャケットアイテムは当たり前、いつも「自分自身だけではなく、見る人も楽しませたい。」と考えオシャレを楽しむ事に貪欲

おすすめ記事