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リクルートの元トップ営業マンに聞く、コロナ禍でも「心が折れない営業術」

学び

厳しい対応をされたときの対処法

伊庭正康氏

伊庭正康氏

 営業マンは、厳しい対応をされた際にいちいち凹んでいては気持ちがもたない。伊庭氏はどんなふうに乗り越えてきたのか。メンタル面の対処法を聞いた。

「厳しい対応をされたときは、自分たちのやり方に“工夫を加えるチャンス”と考えると面白くなります。他の会社の営業マンも同じような対応を受けているはずなので、彼らがやっていない『新しい勝ち筋』を見つけることができれば、効果的な営業ができるようになります

 私は、テレアポからセミナーセリングの手法を導入することや、紹介営業の勝ちパターンを見出したことで、他の会社の営業マンだけではなく、自社の営業マンとも異なる、新しい勝ち筋を見出すことができました。それが、むしろ営業が面白くなったきっかけともなりました」

※セミナーセリング:セミナーを開催し、その参加者の中から商品・サービスに関心のある方をアンケートで確認し、関心のある方にアポイントをとって商談をすること。

ケース別の具体的な営業術は

 伊庭氏に、営業マンにとって苦難となる3つのよくあるケース別に、賢い営業術を教えてもらった。

1. 初回電話でガチャ切りされたとき
「対処法は、スクリプト(台本)の精度を高めること、丁寧な言い回しをすること、ゆっくりと落ち着いて話すことの3つを行うことです。スクリプトにおいては、最初の一言で、話を聞くことのメリットを短い言葉で伝えることが絶対の条件です」

2.「営業はお断りします」と言われたとき
「『大変失礼をいたしました。本日は、あくまでもご挨拶でございまして、業界平均の半分のコストで○○をご提供できるサービスのご案内でございます。ほんの少し、ご挨拶かたがた、お話を少しだけさせていただくわけには参りませんでしょうか』のように、丁寧にメリットを伝えます」

3. 目標に対するプレッシャーを強く感じるとき
「目標の数字を達成しなければならないプレッシャーを感じている人も多いと思います。そんなときはゲームのように考えると少しは気が楽になることはあります。例えば、アポイント率が不足している、という状況があれば、『いくつかの手法を試し、最も効果的なものを選ぶ』といった繰り返しのなかで、勝ちパターンを作っていく。そんなゲームを想像してみることもおすすめです。

 そして、やりっぱなしにするのが一番よくありません。改善を加え続けることで、確実により良い結果を得られる、これが営業の醍醐味でもあります」

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