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なぜ高円寺の人気芸人4人は「地域密着YouTuber」になったのか?

暮らし

 コロナ禍で多くのお笑い芸人がYouTubeをスタートさせているが、ひと際、異彩を放つ「高円寺チャンネル」を知っているだろうか。高円寺に長年住み続ける芸人、ニューヨークの嶋佐和也さん、鬼越トマホークの坂井良多さん、空気階段の鈴木もぐらさん、そいつどいつの市川刺身さんが、高円寺の名店を紹介する“超”地域密着型チャンネルとして立ち上げた。

高円寺チャンネル

鬼越トマホーク坂井さん(右)、構成作家のなんぶさん

 開設2か月で登録者数が1万4000人を突破し、10月24日、25日に開催する高円寺の祭典「高円寺フェス2020」とのコラボも決定! じわじわとコアなファンを増やし続けているチャンネルが誕生したきっかけを、メンバーの鬼越トマホーク坂井さん(@sakai026)と、構成作家のなんぶさん(@ko_nambuに話を聞いた。

「高円寺チャンネル」はどう生まれた?

――芸人さんでもYouTubeでチャンネルを持たれる方が増えてきましたが、高円寺という街にスポットを当てた「高円寺チャンネル」を立ち上げたきっかけを教えてください。

坂井良多(以下、坂井):やっぱり、きっかけはコロナですよね。シンプルに苦しんでいたんですよ、知り合いの飲食店が。それで、助けたいっていうのもおこがましいんですけど、僕らも行く場所がなくなっちゃうから。どうにかルールを守りながら売上げをあげる手助けができたらな、と。

なんぶ:そうでしたよね。

坂井:高円寺ってコロナ禍じゃなくても 、だらしない店が多いんで。バタバタ潰れていくんですよ。

なんぶ:商売しやすい土地ではあるけど、数字が苦手な人が商売を始めるパターンが多い。

坂井:一時期、彼女が恵比寿に住んでいて。「高円寺チャンネル」を始める前までは恵比寿に入り浸ってたんですよ。でも彼女が引っ越すことになって、僕も高円寺に戻ってきたときに芸人として居心地の良さを感じたというか。だけど、コロナ禍でお世話になってる飲食店が潰れちゃうんじゃないかっていう状況だった。

なんぶ:高円寺チャンネル始めようぜ。って言われたときは、正直、「マジか? この状況で?」って思いました。 あと言ってたのは、コロナ禍で恩を売っておけば、コロナが収まったら、その恩でタダ飯を食わしてくれるんじゃないかって。めちゃめちゃ下心で(笑)。

坂井:そうなんです。恵比寿やら六本木の飲食店を紹介したってタダにはならないですけど、高円寺だったらねえ。施されたら施し返す街なんで(笑)。

なんぶ:ほとんど施しで成り立ってますからね。

人気芸人たちが奇跡の集結

――チャンネルメンバーの4人のバランスも良いですよね。

坂井:それも理由のひとつですね、良いメンバーが揃っていた というか。ニューヨークの嶋佐も人気が出てきたし、空気階段のもぐらもラジオとかをやっててサブカル人気というかね。そして抜群の後輩力を持つ、そいつどいつの市川刺身。僕も若手の中だったら、わりと飲食店を紹介するのは得意で。そして、編集ができる元芸人の構成作家、ひょっこりはんの元相方ね。

なんぶ:あんまりそこ強調して言わないでほしいですけど(笑)。

坂井:動画さえ撮れれば、チャンネルとして成り立つなとは思ってました。

――ほかにも高円寺に住んでいる芸人さんでいうと?

坂井:まだまだいるので、これから巻き込んでいこうと思ってますけど、まずは芸歴も近いし、吉本の4人からで。

なんぶ:もう動画に出てもらいましたけど、マヂカルラブリーの村上さんとかサルゴリラの赤羽(健壱)さんとかも。

坂井:住んでる芸人が多いからなのか、「高円寺は芸人の街」とか言われるじゃないですか。違うんですよ。売れてないミュージシャン、売れてない役者、さらに外国の方も多く住んでいる。ここは芸人の街ではないと。ただ、賃貸の審査が通りやすいだけです(笑)。審査が通りやすくて、新宿・渋谷・池袋の主要駅にも近い。

なんぶ:たしかに。5年前に潰れたはずの銭湯から謎の外国の方が8人ぐらい出てきた ことがありますもんね。

坂井:そうそう。テラスハウスなんかよりも先に、至るところでシェアハウスの文化があった。嫌な言い方かもしれないけど、貧乏でも工夫次第で楽しく生きれる町なんですよ。

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