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三菱商事出身の新社長が斬り込んだ「カンロ 60年目のタブー」

ビジネス

ブランド基軸の経営が「ポケモンコラボ」に

カンロ

ポケモンとピュレグミのコラボ商品「ピカチュウピュレグミ」

「カンロの成長戦略の一端を担うのがブランド基軸の経営」とする三須社長は、カンロのキャンディやグミといった商品のブランド価値向上が今後の鍵だと説明する。

「カンロの各商品をそれぞれ3つのブランド室でマネジメントする体制を敷いています。ブランドごとに担当を分けることで、商品価値向上のための施策に注力しやすく、市場にあった商品を展開しやすいからです」

 こうしたブランド基軸の経営が功を奏したのが、ピュレグミとポケモンのコラボ案件で、SNSで大きな話題を呼んだそうだ。

「もともとピュレグミは20~30代の女性に人気の商品で、マーケティング要素として『可愛い』デザインを訴求しやすかった。ポケモンのコラボ商品は他社からも発売されていますが、子供をターゲットにしている印象を持っています。

 ピカチュウピュレグミは、ピカチュウの可愛らしさを前面に出し、大人が見て『これ、いいな』と思っていただけるパッケージデザインに仕上げました。また発売に合わせて実施したSNSの施策もターゲット世代からの注目度を上げるきっかけになりました」

中身で勝負できる商品を目指したい

 ピカチュウとピュレグミのコラボは当初の予定を上回る反響があり、会社史上例を見ないほど好調だったという。しかしながら、三須社長は本音をこう語る。

「本当のところは、キャラクターに頼らないブランド創りをしていき、中身で勝負できる商品を目指したいんですよね。もちろん、ポケモンとのコラボは想定以上に好評をいただいているので、今後も前向きに検討しつつも、プロジェクトチームを立ち上げて成功した『あそぼん!グミ』のようなブランド開発を手がけていきたいと考えています」

 2020年3月にカンロの新ブランドとしてリリースした「あそぼん!グミ」は、ぬりえコンテストやブランドサイトでのデジタルコンテンツ施策が、親子のコミュニケーションのきっかけとなり、コロナ禍でも、堅調な売上を誇っているという。

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