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「“7月病”に要注意」コロナ下のメンタル不調を、人材育成のプロに聞く

学び

コロナでの変化を味わった経験は武器になる

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 とまどいながらも仕事を続ける中で、桑原さんは「無理にやる気を出そうとはせず、焦らないのが大切」とアドバイスを伝えます。

「コロナ下では誰もが迷いながら仕事をしているはずで、『同期よりも頑張らなくては』『一日でも早く職場になじまなければ』などと気負い過ぎず、遠くの理想をみるよりも、目の前の小さな目標からこなせるようにしましょう。業務中、先輩や上司に『何から始めればよいですか?』と素直に聞いてみるのも気持ちの整理に役立つと思います

 また、通勤中や自宅など、仕事から離れた場面では好きなものに打ち込んでみるのも肝心です。頭の中で『明日どうしよう』と思ってばかりいると心が疲れてくるし、ひいては日頃のパフォーマンスにも影響してしまいます。メリハリをつけることに対して、罪悪感を持ってしまうと悪循環に陥ります。満足に外出できない日々も続いていますが、一人きりで考えているとふさぎ込んでしまうので、息抜きの時間は大切にしましょう」

先輩社員は「これまで以上に細かなケアを」

 一方で、新入社員を受け入れる若手の先輩社員に対して「例年以上に、本人のモチベーションや心身のコンディションを気にかけておくべき」と、桑原さんは話します。

「コロナ禍での変化を受けて、自分自身への不安もあると思いますが、先輩の立場では『早く仕事を覚えさせなければ』というプレッシャーを与えないように気を配ってあげてほしいと思います

 本格的な仕事の再開が早くても6月前後にずれ込んだ今年、下半期にかけて、どのように人間関係を築くかはどの会社にも共通する課題です。同期間の関係性も作りづらかったことから、新入社員が孤立しやすくなっているのも懸念されるため、先輩社員にとってはこれまで以上に細かなケアが求められています」

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