bizSPA!フレッシュ

ゴディバ社長が語る、日本市場で成功できた理由「弓道の教えを活かした」

ビジネス

チャネルごとに最適な商品を作る

 また、ローソンの「Uchi Café(ウチカフェ)」とのコラボスイーツや、コメダ珈琲店とコラボしたショコラノワールなど、生活者が気軽に接することのできるコンビニやカフェでの展開を行ってきた。

「『贅沢を日常に』というコンセプトのもと、ゴディバの持つブランドを色々な日常シーンで味わってもらいたいからこそ、閉店時間後の販売チャネルを多様化してきました。よく、『ブランド価値の棄損や値崩れが起きないのか』と聞かれるのですが、お客様が日々過ごす日常で求められる商品を開発できれば、たとえ販売チャネルを増やしてもブランドバリューは維持できると考えています

 百貨店やショップが閉まった後でも、ローソンに行けばゴディバの贅沢さを堪能できるスイーツが買える。コメダ珈琲店では、コーヒーブレイクのお供にゴディバのチョコレートソフトクリームを注文して、優雅な気分を味わう。もちろんゴディバとしてのブランド価値を提供できないと判断する場合は、コラボ自体をお断りすることもあります。

 大事なのは、高級ブティックの近くに出店することでも、ラグジュアリーさを保つ値段でもなく、お客様が求めていることを汲み取って、商品開発や出店に生かすことだと思います」

今年秋にはカフェ業態に参入

 最後に今後の展望についてジェローム氏に伺うと「ゴディバのブランドや世界観を、もっと日常の中で接する機会を作っていきたい」とし、次のように抱負を語った。

ゴディバ

ATELIER de GODIVA 博多阪急の様子

「ゴディバの世界観を伝える企画としては、コンセプトストア『ATELIER de GODIVA』をこれまで展開してきましたが、コンセプトストアはショコラティエのクラフツマンシップや伝統をお客様に知っていただく役割がメインとなっています。

 今後の事業展開として、2020年の秋に新業態のカフェをオープン予定です。朝から昼、夜にかけてスイーツ以外にも料理、お酒が楽しめる場所として、お客様のライフスタイルによって色々な用途で使ってもらえるカフェを目指します。将来的には、全国の主要都市を中心に100店舗展開できるような事業にしていければと思います」

 ゴディバのカフェ業態は昨年4月、ニューヨークにアメリカ初の店舗としてオープンした。新たな業態に進出するゴディバを、ジェローム氏はどのように導いていくのだろうか。今後の発展に期待したい。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

おすすめ記事