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東大から有名メーカー就職も憂鬱な日々「学歴コンプおじさんの標的に」

学び

 部長が高学歴好きならば、より偏差値の高い東大出身の西島さんもかわいがれたのでは?と聞いてみました。

「一切かわいがられませんでしたね。むしろ『敵』的な扱いでした。部長からすると東大はもはや未知の世界らしく、なにかあるたびに『東大生の考えることはわからん』と言われました」

仕事がデキないと異常に喜ぶ学歴コンプ部長

 そんな西島さんは、入社3年目から会社で居辛さを感じ始めたと言います。

「社内での成績が評価されてプロジェクトリーダーに抜擢されたのですが、そこで大きなミスをして会社にかなりの損失を与えてしまったんです。そんなときに部長が飲み会で『学歴と仕事のデキは関係ないもんな。自分の息子は東大に行かせるよりもノビノビと好きなことをやらせるようにしよう』と言っているのを聞いて、ハラワタが煮えくり返りそうになりました」

東大コンプ

 西島さんの怒りはとまりません。

「デキて当たり前、デキなければ鬼の首をとったように『人間勉強だけできても仕方ない。大事なのは生きる力だ』となんでもかんでも学歴につなげてくるんです」

 おじさん世代のまさに「受験戦争」を生き抜いてきた人たちにとって、学歴は切っても切り離せないものなのかもしれません。

「なまじ東大生がいない中途半端な職場にいると悪目立ちするので注意が必要ですね。今の職場では学歴が重荷です」

 西島さんが学歴を気にせず働ける日がくることはあるのでしょうか。

<TEXT/瀧戸詠未 イラスト/三澤祐子>

フリーライター。教育、ビジネスを中心に記事を執筆中。お酒と食べ歩きとひとり旅が趣味

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