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新型コロナの影響は?「フードトラック開業」の甘くない現実

ビジネス

モビリティビジネスは理にかなっている

ファラフェル

中東の料理「ファラフェル」。フードトラックでも様々な国の料理が楽しめるようになってきている

――新型肺炎の流行に関して、どのような対応をしていますか

向:ひとつ見解としていえるのは、3月19日の専門家会議後に提言された集団感染リスクの高い状況(換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、手の届く範囲での会話や発声)については、屋外で営業し、テイクアウトするフードトラックとしては、環境としての感染リスクは低いといえます。

 その上で、全事業者へはこう呼びかけております。

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下記をご確認いただき、可能な限り各店にて対策をお願いいたします。

(1)販売時のマスク着用
(2)アルコールスプレーやジェル(除菌対応できるもの)
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――業界ないしビジネスモデルとしての将来性については?

向:フードに限らずショップモビリティを広めたいというのがあります。例えばマッサージだとか、靴磨きといったサービスを提供する車を走らせたり、本来、固定店舗でやっているビジネスをモビリティで広めていけたらと思っています。

 今は都心部の不動産の価値ってなかなか下がらないじゃないですか。今後、人口が減って消費は下がるけど、不動産価値と家賃は下がらないといった状況。そうなると固定店舗のビジネスはますます厳しくなっていくでしょうね。

 ビルオーナー様にとっても、固定店舗を入れても売り上げが立たず撤退することを繰り返すより、コンテンツを出し入れできるフードトラックのようなモビリティビジネスを入れたほうが理に適っているといえるのではないでしょうか。

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 次回、<キッチンカーの料理が「カレーとタコライス」ばかりである理由>に続く。

<取材・文/目黒川みより>

フリーペーパーを発行する出版社勤務を経て、現在はWEBデザイン会社にてディレクターとして勤務。お忍びで「心の問題」を扱う執筆活動を続ける

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