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橋下徹氏「努力は必ず報われる、は幻想です」若手社会人が陥る罠

学び

「努力は必ず報われる」は幻想である

 この点、努力至上主義に陥ってしまうと、目的と手段を混同し、手段の努力をすることがいつのまにか目的になってしまいます。今やっている自分の努力は、目的を達成するためのものになっているのか、常に確認が必要です。そして目的達成に向けてズレがあるなら、修正・改善の繰り返しが必要です。

 そもそも、すべての努力は必ず報われるというのも半ば幻想といわねばなりません。特に現代のように生き方の多様化が進み、ある種の天才が遺憾なく才能を発揮できるような世の中においては、努力ではどうにもならない場合もあるというのも偽らざる現実です。

 努力が無駄だといっているのではありません。ただ「何でもがんばれば何とかなる」とばかりに「努力」そのものを目的に据えると、その努力がどこに向かっているのか、本当に自分の商品価値を高めるための努力なのかという視点が失われてしまう。それがために「骨折り損のくたびれ儲け」になるのはもったいないということです。

努力の対象をスパッと変える勇気も必要

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 もし、自分で圧倒的と思えるほどに努力しても手応えがないのであれば、それは努力している対象そのものが自分には向いていないということかもしれません。

 ならば努力の対象をスパッと変えて、新しいことでまた圧倒的な量をこなせば、ウリが明確になり、自分の商品価値が高まることにつながるかもしれない。行動することによって、チャンスを得ることができるのです。

 今の日本社会においては、選択肢はたくさんある。一つの道にとらわれる必要はありません。自分の歩むべき道をどんどん変えて、自分が一番ハマるものを見つけていけばいい。どうせ相撲を取るならば自分が勝てる土俵で相撲を取ろう、この土俵は違うなと感じたら別の土俵を探そう、ということです。

 現代は、どんな努力によって突き抜けるかわからない時代です。どんなことでもウリになる可能性がある時代、戦える土俵は無限にある時代だと考えて、自分に相応土俵、すなわち努力の対象を見つけていってください。

<TEXT/橋下徹>

1969年東京都生まれ。2008年、38歳で大阪府知事、2011年に大阪市長に就任。実現不可能と言われた大阪都構想住民投票の実施や、行政組織・財政改革などを行う。2015年、大阪市長を任期満了で退任。現在はTV番組出演や講演、執筆活動など、多方面で活動している。

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