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元電通マンが「職場にも美味しいパンを!」の思いで起業するまで

ビジネス

パン屋さんはクリエイターだと思う

矢野健太

「パン屋さんは自分のアイデアをパンという形にして発信している」(矢野氏)

――確かにクラウドソーシングの可能性はありますね。実際に卸してパン屋さんたちの反応が知りたいです。

矢野:すごく喜んでくれています。僕は、パン屋さんはクリエイターだと思っているんです。自分のアイデアをパンという形にして発信されている方が多いんですよ。ただ、常連客がついてお客さまが固定化されると、その方たちの好みに合わせたパンが増えて、どうしても自由度といった点では狭くなってしまうようなんです。

 そこで今までとは違う販路ができることで、全然違うパンにチャレンジできます。単純に販売量が増えたということだけでなく、そういった点で喜んでもらっているところが大きいです。

――そんなクリエイティビティが発揮されたパン。これを食べたお客さまの反応も教えてください。

矢野:「パンってこんなにおいしいんだ!」という意見を結構いただきます。実は、そもそもパン屋さんのパンを食べたことがない人が都内には意外と多いんです。特に男性はデパ地下のパンも買ったことがない人もいます。女性のご意見としては、パン屋さんを巡って日頃からおいしいパン探している方もいらっしゃるのですが、これらと同等の「高いクオリティのパンをいつでもオフィスで食べられる」と喜んでいただいています。

パン屋さんへの福利厚生サービスも予定

――現在は関東を中心に約140社が利用し、提供されるパン屋さんは15店舗ほどと、順調に増えていると伺っています(2019年12月13日時点)。今後はどのような展開をお考えですか?

矢野:取り引きさせていただいているパン屋さんのサポートをもっとやっていく予定です。映画割引などの福利厚生サービスを提供する企業さんと組み、弊社負担でパン屋さんへの展開を考えています。

 個人事業主の方って福利厚生の体制がほとんどなかったりすることが多いんです。僕も大企業にいたときには福利厚生サービスを使わせもらい、余暇などを取ることでクリエイティビティが豊かになりました。

 パン屋さん自体の働き方もそこで改善というか、変えていってもらえたらありがたいです。世の中に求められているものを作っているのにもかかわらず、作っている側はすごく大変みたいな。そういうところはサステナブルではないので、変えていきたいなと思っています。

――さらには、個人向けのサブスクリプションサービスも来年から始めるんですよね?

矢野:現在、モニター募集をしているんですけども、すでに3000人強の応募がありました。パンに対するニーズを改めて感じています。

 事業の展開として大きく2つあり、ローカル商品であるパン屋さんのパンを、いかにこのローカル市場を開放していくかということ。もうひとつは、しっかり市場を開放していきつつも、同時にパン屋さんのパンの価値をしっかり上げていくことを目指しています。

<取材・文・撮影/重野真>

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