ペットとしてのうさぎの魅力と飼育の注意点。専門誌編集長が語る
近所に相談できる動物病院や専門店はあるか
うさぎは天敵から逃げやすいように骨が軽量にできており、家で抱っこする時に暴れて床に落ちてしまった拍子に骨折することもある。特に1人暮らしで飼う場合、近所にすぐ相談できる動物病院や専門店があるか確認して検討したほうが、後々も何かと安心だろう。「しかし長く暮らしていく中でふれあいを好むうさぎもたくさんおります」と、篠田氏は語る。
「ここまで話してきた内容ですと、うさぎは飼い主さんに全く懐かないのではないかと思われる方もいるかもしれません。『うさぎはさみしいと死んでしまう』という説がありますけど、寂しくて死に直結するわけではないですが、現代の住居で共に暮らすスタイルになってから人とのふれあいを喜ぶうさぎもいるのです。大概のうさぎは抱っこが嫌でも、頭を撫でるとすごく嬉しそうにします。
最初は警戒させないように、指をうさぎに向けないようにし、手の甲側を近づけて撫でるようにすると逃げません。また耳をマッサージしてあげることでも喜びます。とはいえ、うさぎによって、ちょっと時間は掛かりますけど、そこが良いというか、本当に“ジワジワ系”です」
犬猫に勝るとも劣らないビジュアルと、臆病で少しめんどくさい性格、何かと気を揉みたくなる独特の繊細さを兼ね備えるうさぎ。世話を通して少しずつ懐いてくるうちに、飼い主の母性が覚醒して、どっぷりのめり込む割合が高いようだ。
犬猫と一緒に飼うケースも
うさぎと暮らして数年経って慣れてくると、また新しくうさぎを迎える飼い主さんも少なくない。
基本的にはオス・メスで飼育する場合、不妊手術をしていない異性との接触はNGであるため、部屋で散歩させる時は順番に行なう家庭が多い。また、犬猫など他動物との同居は可能なのだろうか。
「相性が悪くても直接触れ合わないように別の部屋にケージを置いたりすれば、基本的には大丈夫です。先にうさぎがいてテリトリー内に入ってこない状態で、後から犬・猫を迎えているおうちはうまくいっているようですね。でも動物病院で犬の鳴き声を聞いて、においを感じて、びっくりしているうさぎもいるので、ストレスにならないか考えてあげてほしいです。
また、人獣共通感染症といった人と動物間で感染する病気もあるので、ご自身の気持ちよりも多動物と暮らすデメリットをきちんと獣医さんなどに聞いて把握しておくことが大切です。現在、うさぎの寿命が獣医師さんの治療方法の進歩や飼い主さんの早期発見により、10歳以上になることも少なくないそうで、おうちで家族として長く暮らせる伴侶動物なのです」
一度、ハマるとこの沼からはなかなか抜け出せなさそうだが、より手軽に触れ合いたければ「うさぎカフェ」などの選択肢もあるので、気軽に足を運んでみるのもいいかもしれない。
<取材・文/伊藤綾>