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東京ディズニーランド、夢の国が「パワハラ訴訟」を抱える複雑な内情

ビジネス

 こんにちは!「ブラック企業アラート」運営者の當瀬(とうせ)ななみと申します。本連載では大学生・大学院生、転職希望者向けに「企業のホワイト/ブラック度を見分ける方法」を紹介しています。

ディズニー

 今回は就活ランキングでも人気が高い「オリエンタルランド」について書いていきます。社名のみだとわからなくても、「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」の運営会社と言えば誰もが知っているでしょう。事実、東洋経済新報社が実施した2018年「就活後半に聞いた『就職人気企業』トップ300」では9位になっており、学生人気は高いです。

 ただ、その一方で非正規社員からは、パフォーマーの解雇問題(2014-15年)や、パワハラ等で提訴される(係争中)などの労使紛争が起きており(くわしくは後述)、本記事ではその複雑な姿について検討していきます。

オリエンタルランドの調査観点3つ

 企業調査をするにあたって、私の場合は下記3点について、判断をしています。材料は、IR情報からクチコミまで、公開された情報のみです。

・ビジネスモデル…その会社の将来的な成長可能性、潰れにくさを見るため
・社長の人物/キャラ…トラブルが多い人物だと会社もトラブルに巻き込まれやすいため
・社風…実際に働いてみた時の雰囲気が合うかを把握する必要があるため

 今回も同じ観点で調査を進めていきます。

1)ビジネスモデル:業界で圧倒的シェアを誇る

 まず、遊園地・テーマパーク産業の実態について把握していきます。「帝国データバンク」社が公開している資料「遊園地・テーマパーク経営企業の実態調査(2018年決算)」が網羅的でわかりやすいので、こちらを使います。読み取ったことを整理すると、次のようになります。

 2018年の決算における162社の収入高合計は、前年比1.6%増の約8711億8300万円でした。そのうち、増収企業は53社で全体の32.7%。業界全体での利益の増加はわずか。過半数の企業は前年度比減収しており、苦戦していることがわかります。

 また、162社のうち、2017~2018年の2期連続で損益が判明した企業は106社で全体の65.4%でした。2018年において2期連続の黒字企業は72社で、判明した企業群のうち67.9%。一方で2期連続の赤字企業は、判明した企業群のうち16社(15.1%)でした。つまり長期トレンドで見ると、収益増加傾向は読み取れるが、楽観しにくい状況です(※一部数値は事実関係に基づき調整)。

 収入高では、オリエンタルランドがトップで4081億5000万円(前年比0.4%増)でした。2018年決算における割合は46.9%。1社で過半数近くの規模を占めています。つまり、外部要因ではインバウンド取り込みなど、追い風要素はあるものの、業界全体としては大きく伸ばせていな。ただしその中ではオリエンタルランド社が圧倒的優位にということです。

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