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速読教室にチャレンジ。ちょっとの訓練で読書スピードが1.3倍に

暮らし

複数の動作を同時に行って脳を活性化

 次に行われた“4つの同時並行処理”は楽読のトレーニングの核となるもので、複数の動作を同時に行うことで、脳を活性化するという。

 手順は、①3倍速の英会話音声を聴きながら、②文章を読み、③講師と会話して、④目の周辺視野を鍛えるというもの。聖徳太子顔負けの同時並行処理を強制され、とにかくせわしないが……。

楽読

4つの同時並行処理。会話をしながら英語音声をスピーカーで流し、周辺視野を意識できるよう隣で手を振ってもらう

<同時並行処理のやりかた>
1. 英語の速読を聴く
2. 文字を見る(読む)
3. 会話をする
4. 周辺視野の様子を意識する

「速読は“脳の可塑性”を利用したメソッドです。最初は難しいと感じても、繰り返すうちに脳がスピードに慣れていきます。すると脳の高速処理が、当たり前の状態として働くようになります」(上山氏)

 高速道路で車窓の景色に慣れると、一般道の景色がゆっくりに感じられる。これと同じことが、読書でも起きるというのだ。

「6秒間高速視」で速読の目を養う

 仕上げに、「6秒間高速視」というトレーニングで、速読の目を養う。A4用紙に書かれた文章を6秒間で繰り返し眺めるように目を通し、速読用の目を鍛えるのだ。そして、いよいよトレーニング後の読書スピードを計測。すると、なんとこの短時間で1分間あたり1136文字まで向上!

「私も前職では楽読トレーニングをきっかけに、仕事の効率が目に見えて上がりました。頭の回転が速くなるなど、速読以外の効果が出るケースも多いです」と言う上山氏。

 間違いなく、一定の手応えは感じられたのであった。

<トレーニング順序>

自分の読書量を1分間計測

コアチューニング

呼吸法、腹圧調整

同時並行処理(下記)

ストレッチ

6秒間高速視

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 確かにトレーニング後は、文字を読むスピードがアップ。プラシーボ効果? それとも……? ちょっとした訓練で、速読術は身につくのかもしれない

上山氏

楽読インストラクターの上山紗也加氏

【上山紗也加】
楽読インストラクター。大学卒業後、メーカーの営業職として働いていたが「自分を変えたい」と奮起し、楽読を受講。コミュニケーション能力なども大きく向上したことに感銘を受け、昨年からインストラクターに

<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/Tetsuki Kim>

― 速読で人生を倍速にする ―

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