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その転職、ちょっと待った!上司との人間関係に悩んだ時にやるべきこと

学び

上司に嫌われているのかと思いきや、実は…

 余談ですが、私の会社では、第三者である人材プロフェッショナルが「上司の代わりに本音を聞きだす代行面談サービス」を行っています。

 先日、とある企業の若手社員の方と面談した際のことです。「上司が褒めるのは他の同期のことばかり。僕のことなんて興味もないだろうし、むしろ嫌われているのだと思う」とうつむき加減で話していました。

 私は「その同期に今の話をしてみたらどうか」とアドバイス。後日、上司が褒め称えていた同期に悩みを打ち明けてみたところ、「ウソだろ? 僕との面談では、君のことばかり褒めていたよ」と言われたそうです。

 そこで判明したのは、上司があえて他のメンバーを持ちあげる発言をしていたのは、部下に発破をかけるアプローチだったということでした。「もっと闘争心を燃やしてほしい、何くそという気持ちで奮い立ってほしい」というメッセージだったのです。

 自分に対する期待を込められた発言をミスリードしてしまっていたと、彼は話していました。

感情と事象を分けて抽出しよう

面談

 人は誰しも、ひとつの事象だけを見て、あれこれ想像し、思い込んでしまう生き物です。だからこそ、感情と事象を分けて考えることが大切です。

 上司との人間関係に悩んだ時は、「本当の事実は何か」「上司に対して自らどんなアクションをどれだけの頻度起こしたのか」というポイントに基づいて、整理してみることをおすすめします。

 そこには、ボタンの掛け違いのようなコミュニケーションの行き違いが必ずといっていいほどあるはずです。

 退職する前に一度、本音でぶつかってみてもよいのではないでしょうか。知られざる上司の思いに気づくかもしれませんよ。

<TEXT/長井亮>

採用代行・採用アウトソーシングを事業とする㈱アールナイン代表。著書は「20代で身につける成長の法則」「会社では教えてくれない仕事のルール」等多数。5000人を超える就職・転職の相談実績を持つ

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