ヤクザに憧れ右翼団体に。更生して営業マンになった23歳男子の誓い
少年院で気付かされた、自らの未熟さ
――少年院での生活はどのようなものだったんですか?
Aさん:自分にとっては本当に人生を変える大きなきっかけになったと思います。自分の未熟さを知ることができました。
――どんなきっかけが?
Aさん:多摩少年院では集会といって、毎日必ず集まって話をするんです。1人の少年が真ん中に座り、ほかの少年たちや職員が囲むようにして円を作って座る。そして真ん中の人がどうして非行をしたのか、どうすればいいのかみんなで話し合います。
入ってしばらくして、僕も集会に参加したんですが、そこで自分の未熟さがよくわかりました。みんな自分のことを思って話してくれていたんですが、僕はそれにどう返せばいいのか、話せばいいのかわからず、暴れてしまったんです。
そのときにふと、自分はいままで言葉を使ってうまく自分の思いを表現できていなかったことに気が付いたんです。それまでは嫌なことがあっても人と対話せず、すべて自分の思い通りにしようとしてきたことにも思い当たりました。
「自分の罪を忘れないでいる」ということ
――少年院からクラージュへはどんな流れで?
Aさん:それからは家族の助け、父親のように親身になってくれた職員さん、そして仲間の支えもあって、自分の犯したことにもしっかりと向き合い、更生に向けて歩みだすことができました。その中でお世話になった職員さんからクラージュを紹介してもらったんです。
――そうして少年院を出た後は、リフォーム会社の営業マンとして働き始めた。今の生活は率直にどう思いますか?
Aさん:売れないときには落ち込むこともありますが、営業の仕事は楽しいです。仲間もたくさんいて、一緒に飯を食いに行ったり、銭湯にいったり、充実していると思います。幸いにもお給料もそれなりにもらえているので、迷惑をかけた両親を旅行に連れて行ったりと、親孝行もできています。