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「普通でいたくなかった」大学生4人が起こした強盗事件。被害は時価12億円!?

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自分の決断には必ず結果と責任が伴う

――実在の4人を俳優と一緒に登場させたり、インタビューをカットして、さまざまなシーンに盛り込んだりと本当にクリエイティブな映像でした。特に、実在の4人はカメラを意識していないかのようでしたね。

レイトン監督:ありがとう(笑)。どこにアクションやインタビューを盛り込むかなど、映像をあらかじめ想定して脚本を書きましたが、本当にこの方法が上手くいくかどうかは撮影して編集するまで、実はハッキリしなかったんですよ(笑)。

 これまでドキュメンタリー映画を撮ってきて学んだのは、人間関係を深めるためにはまず自分の心を相手に開くこと。実在の4人には私の個人的な経験や人生の話をして、時間をかけてお互いを知り合い、関係を深めていきました。

 そして撮影も4人がカメラを意識しないように、こんなふうに行ったんですよ。(と、絵を描き出す監督)

レイトン監督

レイトン監督が書いた説明図

レイトン監督:部屋にはインタビュアーの私とインタビュイーの2人の席があります。私たち2人の間にはカーテンを引いてお互いが見えないようにし、マジックミラーの後ろにカメラを設置しました。そして、私とインタビュイーはマジックミラー上で視線を交わしながら話をしたんです。この方法だと、インタビュイーはカメラや私を意識することなく話ができます。これはいままでドキュメンタリーを作ってきた経験から私が思いついた撮影方法です。

――日本の観客には何を感じ取ってほしいでしょうか?

レイトン監督:自分の決断には必ず結果と責任が伴うこと。それから、「他者に認められたい」「他人に好かれたい」「有名になりたいと」いう承認欲求に振り回されないこと。とはいえ、私だって、昨夜素晴らしい食事をしたんですが、思わずスマホで写真を撮ってSNSに上げたり家族に送ったりしてしまいました(笑)。

 私たちは“一瞬”を十分に楽しむかわりに、インスタグラムに写真を上げたりしてしまう(笑)。だから他人のことは忘れて、もっと“一瞬”を大切に生きていかなければいけないのかもしれませんね。

<TEXT/此花さくや>

映画ライター。NYのファッション工科大学(FIT)を卒業後、シャネルや資生堂アメリカのマーケティング部勤務を経てライターに。ジェンダーやファッションから映画を読み解くのが好き。手がけた取材にジャスティン・ビーバー、ライアン・ゴズリング、ヒュー・ジャックマン、デイミアン・チャゼル監督、ギレルモ・デル・トロ監督、ガス・ヴァン・サント監督など多数Twitter:@sakuya_kono、Instagram:@wakakonohana

【公開情報】
アメリカン・アニマルズ』は5月17日から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開

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