バジェットとは?意味と業界ごとの使い方【いまさら聞けないビジネス用語】
ビジネスシーンにおいて、適切な言葉遣いは重要なスキルのひとつ。基本的なビジネス用語を理解していることは、コミュニケーションの円滑化に直結します。本記事では、いまさら人に聞けないけれど、知っておきたいビジネス用語をわかりやすく解説。それぞれの用語が持つ背景や使用されるシチュエーションを押さえておくことで、職場での会話やメールに自信を持てるようになります。今回は「バジェット」について紹介します。
「バジェット」とは基本的に「予算」や「経費」を指す言葉
バジェット(budget)は、個人、企業、政府などが一定の期間において収入と支出を計画的に管理するための財務的な枠組みのことで、具体的に「予算」や「経費」という意味で使われることが多いです。ただし、この使い方の場合は名詞であり、業界によっては形容詞として「低予算の」「格安の」などの意味で使われるケースもあります。
経費という意味の場合は「バジェット不足でプロジェクトが縮小する」「バジェット次第で対応できる範囲が決まる」などの使われ方をします。また、予算や経費を適切に管理し、計画を立てることを「バジェット管理」といいますが、とくに経営者やプロジェクトマネージャーなどはその手法や実行方法を知らないと、大きな失敗や損失につながってしまうことがあります。
バジェット管理を適正に行うためには、まず収支を把握し、さまざまな情報から売上予測を行います。その予測に基づいて売上を達成するための具体的な計画を立て、経費や予算の見積もりを行いましょう。
そして予算内でどこに投資をするか、その配分を決めていきます。たとえば新しいプロジェクトへの投資、設備投資、人材育成などが挙げられます。予算を配分して実際に運用や経営を行っていきながら、定期的にモニタリングやフィードバックを続けて、必要な場合は予算の修正や経費削減などを実行します。
一般的に、このようなサイクルで年度ごとにバジェットを策定し、目標達成度や経営環境の変化などに応じて計画の立て直しなどを行いながら、企業は持続的な成長を図ります。
では、特定の業界において、バジェットがどのような使い方をされている言葉であるかをチェックしていきましょう。
広告業界
広告業界におけるバジェットとは、クライアントから提示された広告制作のための予算のことを指します。バジェットをもとに広告の手法やキャスティングなどを行うため、関わるスタッフがバジェットを把握することが重要なポイントとなります。
映画業界
映画業界では名詞の意味に含まれる「予算」という意味で使われていますが、ほかの業界と異なるのは使い方です。たとえば、「ビッグバジェット」というとハリウッド映画のように高額な予算をかけてつくられた、スケールの大きな作品を指します。
逆に費用をできるだけ抑えて低予算でつくられた作品のことを「ローバジェット」と呼びます。ローバジェットの予算はB級映画ほどとされており、新人の俳優やスタッフを起用することでギャラを抑えたり、シンプルな撮影手法で効率的に撮影したりすることで全体の費用を抑えます。
このように、予算や経費などの意味で使われることが多いバジェットですが、低予算や格安などの意味を持つ形容詞として使われるのはどのような業界なのでしょうか。
アパレル業界
アパレル業界では低価格の商品のことを「バジェット品」といいます。特にファストファッションブランドに分類されるようなアパレルブランドが取り扱う商品は、このように呼ばれることが多く、ある程度の品質を保ちながらも流行を抑えており、かつ低価格であるという特徴があります。そのため、消費者にとってはコストパフォーマンスが高く家計にやさしいことからも、購入しやすいブランドや商品として知られる機会が多いです。
旅行業界
旅行業界においては、低予算の旅行やコストを抑えた旅行商品などを指します。格安のホテルは「バジェットホテル」、ローコストの航空会社を「バジェットエアライン」、低価格のツアーを「バジェットツアー」などと呼ぶこともあります。コストを抑えた旅行は多少不便さも感じる場合がありますが、若い旅行者やバックパッカーなどに人気で、限られた予算内で最大限の楽しみ方ができる方法でもあります。
以上のように、バジェットは業界によって異なる意味で使われることがあるため、どのようなシーンで利用されているかを判断して意味を理解することが大切です。
バジェットを理解することが将来に役立つことも
特定の業界に限らず、企業は利益を高めることが重視されますが、そのためにはバジェット管理やバジェットを把握することは欠かせません。たとえ経営に携わらない一般社員であったとしても、バジェットを意識した仕事の仕方やバジェットの仕組みを理解しておくことで、仕事との向き合い方も変わるはずです。
もちろん、将来的に自分で仕事をしたい、会社を持ちたいという場合は必ず役に立つ知識でもあるので、日ごろからバジェットを意識して仕事に取り組んでみてはいかがでしょうか。