失敗を慰めてくれる課長に依存して…憧れの会社を退職した女性の後悔
せっかく志望校に合格したのに、入学後に無気力になって不登校に……なんて話を聞いたことはありませんか? はたから見る分には、もったいない気がしてならないのですが、当人にしかわからない事情があるんでしょうね。
さて、似たようなシチュエーションの社会人版も存在するようです。教育関連の企業に勤めていた田丸優梨さん(仮名・28歳)は、「あの頃に戻れるなら、もう1度やり直したいです」と当時を振り返ります。
志望を企業1社に絞って徹底的に対策
「大学1年の終わりぐらいから、その企業に就職するのが人生の目標になっていました。ビジネス的な側面から教育に関わりたいと思ったんです。そのためにボランティアやインターンもしっかりやって、就活に挑みました」
競争倍率の高い企業だったため、偏差値の高い大学に通うライバルに勝たなければならない状況だったそうです。そのため、田丸さんはとにかく必死だったそうです。
「東南アジアで貧困地域の子供達を支援するボランティア経験を軸に自己PRをしました。他の企業へのエントリーは一切せず、志望企業の面接対策だけを徹底的にやりました」
入社後にまったくやる気が起きない
そうして、念願叶い、志望していた企業から内定を得ることに成功します。ですが、その喜びは長くは続かなかったといいます。
「内定の電話をもらった時は、今まで生きてきた中で1番うれしかった瞬間でした。でも、問題は入社してからです。仕事を覚えたり、成果を出せるようになるために努力するものだと思いますが、私はどうしてもそういう気持ちにはなれなかったんです。恐らく内定を取るところに全神経を使ってしまい、燃え尽き症候群になっていたんでしょうね……」
田丸さんが配属されたのは営業部。なかなか慣れることができずに戸惑う田丸さんをよそに、同期たちは効率よく仕事を覚え、成果を出すようになっていきます。
「周りにいるのは、私よりも高学歴の人たちばかりで、だんだんとそのことに引け目を感じてしまい……。同じ部署の同期が、1年目で営業成績で全営業部員の中でトップ10に入ったのもショックでした。『自分にはあんなふうにはできない』と思って、ますます気力を失ってしまいました」