宝くじでは幸せになれない。お金から自由になる「心の知能指数」
「もっとお金がほしい。宝くじでも当たらないかなぁ」。誰にでも、そんなふうに夢見たことがあると思います。たしかに、お金があったらできることは増えます。旅行へ行くのも、新幹線、飛行機、ヘリ、バス、車、バイクなど、自分の気分や旅の目的に合わせて、好きな手段を選ぶことができます。
またこれまでは、今の会社が嫌になっても、お金のこと、生活のことを考えると踏ん切りがつかなったかもしれません。でも1億円あったら、お金の不安から嫌な仕事にしがみつく必要もなくなります。
お金があったら自由になれる。自由になれば幸せになれる。そのような理由から、もっとお金がほしいと思うのでしょう。ところが、実際に宝くじで高額当選をした人や、仕事、株などで成功してお金持ちになった人が皆、幸せになっているかというと、そうとも限りません。
お金があることで家族と揉めたり、親戚にたかられたり、友人から嫉妬されたり、盗難・強盗に遭うんじゃないかと心配したり、子どもが働かないでニートになったり。実は、お金持ちになると心配事が増えるのです。
お金と健康的に付き合うためにはEQが大切
僕は20代の頃から、成功している経営者やアーティスト、政治家などに弟子入りしてお金や幸せについて学ばせてもらってきました。また30代で作家デビューしてからは、メンターたちから学ばせてもらうだけでなく、自分もお金と幸せの専門家として、老若男女、幅広い層の人生相談に乗ってきました。
それらの経験から言えるのは、お金と健康的に付き合うには、「お金のIQ」を高めるだけでなく、「お金のEQ」が大切だということです。
「お金のIQ」とは、お金の実務面での知識のことです。多くの人は、お金について考える時、もっと稼げばいい、収入を増やせばいい、資産を増やせばいいと考え、会計や税務、法律やビジネス、投資について学ぼうとします。
たしかに「お金のIQ」が低いと、いつもお金に困ることになります。ですので、「お金のIQ」を高めるのは大切です。
30億円の資産を残して自死した資産家
でも、「お金のIQ」を高めるだけでは、幸せにはなれません。いくらお金がたくさんあっても、安心できるわけではないのです。
なかには、100億円の資産が30億円まで目減りしたことにショックを受け、自死を選んだ資産家もいます。30億円もあれば、たいていのことができます。ビジネスや投資で再挑戦することだって可能だったでしょう。普通の人であれば、その10分の1の3億円でも十分だと思うのではないでしょうか。でもこの資産家は、資産が3分の1以下になったことで、自分の価値も失われたように感じ、将来に対して絶望してしまったのです。
結局、どれだけたくさんのお金があっても、「お金のEQ」も高めなければ、お金と健康的に付き合って幸せに生きることができないのです。そこで今回は、「お金のEQ(心の知能指数)」について詳しくみていきましょう。