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サブウェイ、サーティワン…海外の外食チェーンが日本でウケる秘策

ビジネス

「ダサカッコイイは褒め言葉です」
――株式会社?野家ホールディングス河村泰貴社長

「飲食店以外の方にも使える一冊」
――アークアンドサービスホールディングス株式会社臼井健一郎社長

 ?野家、かつやといった日本を代表する人気外食チェーンの代表が、こう言って推薦する一冊が『コロナ危機を生き残る飲食店の秘密~チェーン店デザイン日本一の設計士が教える「ダサカッコイイ」の法則』(扶桑社)だ。

吉野家

吉野家 大井町西口店(撮影/大西良典)

 著者である大西良典氏は、外食チェーン店のデザイン数、日本一を誇る「職人出身の建築デザイナー」である。人気外食チェーンがコロナ禍でも集客が途切れないのはなぜか? 今回はタコベル、サブウェイ、サーティワンなどの海外の飲食チェーンが日本でウケる秘策を紹介する(以下、同書より抜粋)。

なぜ、あの店はうまくいかなかったのか?

 人気が出そうに見えても、結果的に伸び悩む店があります。基本的に他店の悪口を言うつもりはまったくありませんが、うまくいかなかった理由を検証することで、改善策を導き出す手掛かりになります。

 2011年から急激に店舗数が増えた「東京チカラめし」は、人気牛丼チェーンを脅かすのではないかと思われました。しかし本稿執筆時点で、店舗数は往時の1割以下に激減しています。その原因は、店舗が路面ではなく建物の間口から奥まったところや、階段を2~3段上がって入るようなところにあるケースが多かったからではないかと推測しています。10分で焼き牛丼を食べてサクッと空腹を満たすようなコンセプトの店は、路面にあることが鉄則です。

 そうした店のターゲット層である忙しいビジネスパーソンの心理は、店に入るのに奥まったところまで歩いたり、2~3段の階段を上がるだけでも面倒に感じるのです。高級店であれば、高層ビルの最上階に上がっていくプロセスもわくわく胸が高鳴るエッセンスになるのかもしれませんが、10分ランチの店にはたとえ2~3段でもその手間はご法度なのです。

ヘルシー志向が中国で不人気だった訳

上海 中国

上海 南京路歩行街

 同じく2011年頃、上海の高級店街でヘルシー志向のお弁当のデリバリーサービスを始めたことがありました。その当時、日本では「タニタ食堂」が流行り始めた時期で、ヘルシー志向の女性を中心にタニタ弁当が大人気だったからです。

 けれど、中国はバブル真っ盛りで、ぜいたくな料理のほうが人気が高く、ヘルシー志向のお弁当は不人気でした。今なら中国でも需要があるかもしれませんが、時期が早すぎたのでしょう。

 中国人が日本で爆買いするほど人気の高いシャワー付きトイレも、2006年に中国に出店したフランスの大型スーパー「カルフール」で販売した際には、まったく売れなかったといわれています。これも時期的に早すぎて、現地の需要と嚙み合わなかったことが原因です。

 このように、チェーン展開がうまくいかなかったり、地域に根付かなかったりする店は現地リサーチが不足しているのです。現地のニーズを把握しないままに店舗展開をしても、決して成功できないのです。

コロナ危機を生き残る飲食店の秘密

コロナ危機を生き残る飲食店の秘密

チェーン店デザイン数日本一の著者が、店舗設計の膨大な実証データに基づき、集客率・回転率・競争力・収益性を上げて繁盛店に導くデザインの秘密がこの一冊に

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