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厚労省“ブラック企業リスト”とは?実名公表447社でも効果のほどは…

ビジネス

今年の成人式を騒がせた「はれのひ」もリスト入り

晴れ着

 成人式の当日に突然連絡が取れなくなり、振り袖を着られなくなった新成人が続出したというトラブル

 このトラブルを起こした「はれのひ」もリストに掲載されました。リスト入りした理由は、労働者27名に、1か月分の定期賃金合計約510万円を支払わなかったというもので、最低賃金法第4条に違反したためです。

 同社の元社長は、粉飾決算により計6500万円の融資金を詐取した詐欺罪に問われており、10月に横浜地裁で初公判が開かれました。そこで検察側は、「2015年8月ごろまでには、自転車操業に陥っていた」と述べました。

 経営状態がかなり厳しい状態にあって、法令遵守は二の次になっていたことが伺えます。

このリストが作られてからも違反企業数は減少せず

 果たしてこの実名公表の取り組みは、どれほどの効果があるのでしょうか?

 東京商工リサーチは「第2回 全国労働基準関係法令の違反企業実態調査」(10月11日公開)において、「このリストが公表されて以降も違反企業が減少する傾向は見られない」と指摘しています。

 さらに、公表された企業の7割が売上高10億円未満の中小企業で、資金力の脆弱さが法令違反に繋がった可能性があると分析しています。

「働き方改革」によって、ブラック企業に対する世間の関心は高まり、過酷な労働を強いる会社に対する風当たりは年々強くなっています。国の施策も大切ですが、労働者が安心して働ける社会にするためには個々人がブラック企業を許さない姿勢が大切になってくるでしょう。

<TEXT/湯浅肇>

写真をメインに数多くの時事ネタやマルチメディア関連の記事も執筆。常に斬新な切り口で情報発信を目指すアラサー男子

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