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高級タワマン「異業種交流会」に潜入。怪しいお金持ちの正体は?

暮らし

帰り際、しがないサラリーマンの本音

 パーティーが終わり駅前のスタバで一息ついていると男性陣唯一の勤め人(私たちは抜いて)であるサラリーマンがやさぐれた顔でコーヒーを飲んでいた。同じく敗北感を感じてしまったのだろうか。サラリーマンから話しかけてきた。

「いや~、ヒドイ会でしたね。8000円も出して女性の連絡先1つも聞けないし。あんなパーティーなんて出会いのためのもんでしょ。でもそんな雰囲気一切ねーし」

 彼は大手乳業メーカーの正社員。誰もが知っているような大企業で勝ち組といえば勝ち組かもしれない。しかし「大企業っていってもただの社畜ですよ。仕事なんて1つも面白くない」と言うように、経営者の人々とは心のゆとりが違いすぎるようだった。

「Tinder知ってます? 女性ゲットするならあれ一択ですよ。こんなパーティーに参加して仕事の話して女口説くなんて時間とカネの無駄。わたし、趣味もとくにないんで休日はもっぱらTinderで女性とデートって日々ですよ。マジで今日の8000円無駄だわ。なにが異業種交流会だよ。一生こねえわ」

「私はカネのために仕事していない」

タワマン

ワイシャツのボタンを3つも開け、ダルそうに歩く右のサラリーマン

 このサラリーマンには酷なことをいうが、彼を一言で表すと「仕事がクソつまらないので合コンや出会いに命を懸けているものの、これといって熱くなれることはないので話すこともなく、結果お金も女性もついてこない人」である。金持ちほど、カネと女の話をしないが、結果的に女にモテるということだ。

 霊媒師さんは「私はカネのために仕事していないんですよ。除霊に力を注いでいれば自然とお金は集まってくるから」と話す。まさにその通り。きっとこの霊媒師さんには女性はもちろんのこと、ビジネスの話もドンドンと舞い込んでくるのだろう。

 先ほどまで一緒にいた経営者たちは明日も、明後日も月曜も楽しくパーティーでもするのだろうか。勤め人は彼らから支給される金を握りしめながらこれからも生きていかなければならないのだろうか。

<取材・文/國友公司>

週刊誌記者・裏モノ系のフリーライターです。男の娘・ニューハーフが好きです。『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』発売中。ツイッターは@onkunion

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