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あのCM「部長、資料が間に合いません(涙)」で印象的なアクセアの秘密に迫る!

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「部長、会議に間に合いません(涙)」と涙ながらに訴える若手サラリーマン(アクセアのテレビCMより)

特に夜帯にテレビをつけていると、ときどきアクセアという業者のCMが流れることがある。

CMにはいくつかのパターンがあるようだが、だいたいタイムマネジメントに失敗した若手サラリーマンが、「間に合いません」と部長に訴えかけるのだが、そこで部長はカッコ良くこう返す。

「大丈夫。ビズスポット(アクセア)があるぞ」
「大丈夫。アクセアに問い合わせてみろ」

カッコ良い上司は、部下のヤラカシに冷静だ

そこでアクセアのイメージ映像とかわいいお姉さんが出てCMが終わるというシンプルなもの。この過不足のないわかりやすい展開は、ヒネリが多かったり派手すぎたりするCM群の中で、逆に目立つことになり、筆者的にも好感を抱いている。

しかし、このアクセアという業者、このテレビCMまではその名をあまり聞いたことがなく、そしてビズスポットだったり、印刷だったりと、その実態が想像しにくい点も否めない。

そこで今回はアクセアの担当者に直接話を聞き、その秘密について迫ることにした。

アクセアはもともと「オンデマンド印刷」の会社だった

アクセアの出発点は「オンデマンド印刷」だった

テレビCMにある通り、アクセアは印刷に強そうだが、それもそのはずオンデマンド印刷をメインとする事業から出発した業者だという。

「元々当社は1枚、1冊から作れるオンデマンド印刷がメインの印刷会社としてスタート致しました。『オンデマンド』とは『必要なものを、必要なだけ、必要なときに』という意味がありますが、弊社ではこういった少部数の印刷を、早く安くご提供する印刷会社でした。

あらゆる印刷物に対応するとともに製本、パネル、ラミネート、カッティングといった加工も広くサポートするほか、飲食店や小売店向けの販促ツールの印刷も豊富に取り揃えております。

また、最近ではスタッフを介さず、ポスターやチラシなどを自分で作成することができる『セルフアクセア』というセルフ印刷サービスもスタートさせました。後述する『アクセアカフェ』の中に印刷用の機械や備品を設置しております。それらを自由に使ってオリジナルのポスター、チラシ、ラミネート加工が行えます」(アクセア担当者)

かゆいところに手が届く精神はコワーキングスペースでも

印刷物をメイン業態にしながらも「印刷物周辺の、かゆいところにも手が届くサービスを行なう」のがアクセアの特徴だったというわけだが、近年こういった経験を元にさらに事業を拡大。ビジネスシーンを取り巻く、様々な問題を解決するようなサービスを実施するようになったという。

アクセアがスタートさせたコワーキングスペース「アクセアカフェ」

「『アクセアカフェ』は、コワーキングスペースとして展開しています。柔軟な働き方が求められる今、『アクセアカフェ』はオフィス以外でも快適に働けるワークスぺースとして、幅広いビジネスパーソンにご利用いただいております。

また、アプリ『BizSPOT』は、『職業』『活動地域』といった条件から、相応しいスキルを持った仕事仲間を探すことができるものです。現在の会員登録者は7万人を突破し、多くのビジネスパーソンにご利用いただくようになりました」(アクセア担当者)

こういった経緯から冒頭で触れたテレビCMに至ったことがよくわかるが、ただし、ここまでならよくある「事業拡大しました系」の話。その点、アクセアの場合、こういった新規業態でも、当初の「かゆいところに手が届く精神」が、しっかり反映されているのも特徴だ。

「アクセアカフェ」にはかゆいところに手が届くサービスがいくつもある

「『アクセアカフェ』の場合は、『全席電源完備』『飲食物持ち込みOK』『フリーWi-Fi』『フリードリンク』といった基本サービスをベースに、15分から1日までご利用いただけます。

また、『アクセアカフェ』の中には、テレワークブースや完全個室のご用意もあり、WEB会議の利用や集中して仕事をしたい方にとても人気で午後には満席になることもあります。

また『BizSPOT(アプリ)』は、ワークスペースのチェックインから決済までをワンストップで行う事ができ、よりお気軽にご利用いただけるよう工夫しています。

チェックインできるワークスペースは『アクセアカフェ』の他、全国にある加盟店のコワーキングスペースでも利用が可能です」(アクセア担当者)

「BizSPOT(アプリ)」も「アクセアカフェ」などと連動し活用することで、より合理性が高くなる

「ネット」「リアル店舗」双方の利点を活かして

テレビCMの「部長、資料が間に合いません(涙)」に象徴されるように、印刷物には「分からないこと」「不安なこと」がつきものだ

担当者によれば、ここまで細部にわたるサービス展開に至った理由もまた「印刷会社」として多くの顧客と接してきた経験が反映されているという。

「印刷物の作成をする際、お客さまの側では『分からないこと』『事前に相談したいこと』が多いことと思います。特に、特殊な仕様の案件、大口の案件、急ぎの案件などをそのままインターネットの業者を探して、オンラインで注文するのは、抵抗や不安が多いように感じていました。

こういった場合、当社では店頭のスタッフがお客さまと対面で直接お話をし、積極的にご提案・アドバイスをさせていただくことで、お客さまに安心して印刷物の発注をいただけるよう努めてまいりました。

こういった経験から当社では、『ネット』『リアル店舗』の双方の利点をうまく活用し、『アクセアカフェ』『BizSPOT(アプリ)』のサービスにも反映させているのが特徴です」(アクセア担当者)

「アクリルパーテーション生産数」日本一にもなった

ところで、コロナ禍の約3年間の間にもアクセアには様々な発注があったというが、特に売れたものについても聞いてみた。

「コロナ禍に売り上げの柱となったのは飛沫感染症対策グッズの『アクリルパーテーション』でした。当社ではもともと、アクリルをカットする機械を所有する店舗があったのですが、ニーズに呼応して大型機械を購入するなどし、24時間体制で稼働し、納品し続けました。最終的に、当社は『アクリルパーテーション生産数・日本一』にまで上り詰めました」(アクセア担当者)

また、「リモートワーク」によるコワーキングスペースや、より合理的に受注者・発注者をつなぐマッチングサービスなども、コロナ禍の約3年間で広まったもので、これらもまたアクセアにとってはビジネスチャンスと見立て、前述のような「アクセアカフェ」「BizSPOT(アプリ)」の事業拡大に至ったようにも思う。

「はい。コロナ禍の約3年間を経て、今後はコワーキングスペースのニーズ、ビジネスのマッチングのニーズがさらに高まっていくものと思われます。
当社でも将来的には日本だけにとどまらず、国内外に事業を広めていきたいと思っています」(アクセア担当者)

テレビCMの「カッコ良い上司」ともカブる企業風土

ここまでアクセアの事業、優位性などを過不足なく冷静に語ってくれた担当者だが、その姿はあのテレビCM の「カッコ良い上司」にもカブる。こんな話を担当者に話すと、さらにこう答えてくれた。

「当社はお客さまが必要としていることや、需要がありそうなことであれば、現在の事業や形態にとらわれずどんなことにもチャレンジしていく会社です。

そのため、『こんなことにチャレンジしてみたい』『こうしたらもっと良くなるのではないか』といった意見交換は常にありますが、この点は『社員の意見を尊重し、挑戦の後押しをしてくれる』環境だと思っています。確かに、あのテレビCMの『カッコ良い上司』のような土壌があるのもまたアクセアだと思います」(アクセア担当者)

アクセアは今後もビジネスパーソンに寄り添いながら、事業をさらに広げていくという

最後に、まだアクセアを利用したことがない人へのメッセージをもらった。

「当社のサービスは、業種問わず全てのビジネスパーソンに需要があるものだと考えております。

今すぐには必要なくても『名刺が足りなくなった』『資料を急ぎで印刷しなくてはいけない』『イベント用にポスターが1枚だけ欲しい』など、突然印刷物が必要になるケースに呼応する場面があると思います。

また、『アクセアカフェ』のコワーキングスペースも日常的に必要になる機会も増えてくるでしょうし、『BizSPOT(アプリ)』も今後英語版をリリースする予定です。国内のみに留まらず海外でも展開を行い更にユーザーが増えることを見込んでいます」(アクセア・担当者)

あのテレビCM、あるいは担当者の言葉にある通り、アクセアはビジネスパーソンがたびたび直面する「困った場面」でこそ、そのサービスの良さを実感できそうだ。ぜひそのサービス内容を確認し、いざのときのために「アクセア」の名を頭に残しておいてほしい。

<取材・文/松田義人>

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アクセア
https://www.accea.co.jp/

音楽事務所、出版社勤務などを経て2001年よりフリーランス。2003年に編集プロダクション・decoを設立。出版物(雑誌・書籍)、WEBメディアなど多くの媒体の編集・執筆にたずさわる。エンタメ、音楽、カルチャー、 乗り物、飲食、料理、企業・商品の変遷、台湾などに詳しい。台湾に関する著書に『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)、 『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『台湾迷路案内』(オークラ出版)などがある

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