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『愛の不時着』ってほんと?日本人のイメージって?脱北者が語る本音

暮らし

実際に日本人に会ってみた印象は

――実際脱北してから日本人に会った印象などありましたら聞かせてください。

キム:韓国で出会った日本人は、みんな優しくて気を遣う印象だったので、イメージはガラリと変わりました。優しいだけじゃなく、面白い人も多いんですね、日本人は。年はかなり違いますが心の許せる日本人の友達もできて、今度日本へ観光に行くつもりです。やはり外に出て実際触れ合ってみないと “真実”は分からないものだと気付きました。

――韓国に逃げてからのお話を聞かせてください。韓国ではどのように仕事を見つけたのですか?

キム:先に脱北してきた人に紹介してもらって簡単な事務仕事をさせてもらいました。その前は、食堂で仕事をしていたこともありますね。韓国には脱北者を受け入れてくれる脱北者の定着支援センター「ハナ院」というのがあるんですが、そこでバイトの応募方法を教えてもらいました。

韓国では肉体労働の職ばかり

脱北

キムさんが韓国で農作業のバイトをしていた景色

キム:市場に行けばチラシがあるから、そのチラシを見て「求人」と書いてあれば電話して「働きたいです」って言うんだよ…みたいなことを教わりました。

 北朝鮮では中学校の生物教師でしたが、ここでは役に立ちませんし、韓国の方は私たちを可哀そうな目でみますからね。いい職にありつけるわけもなく、工場勤務だったり、清掃スタッフだったり、農作業だったり、食堂のおばちゃんだったり、肉体労働の仕事も色々やりましたよ。

――まさに命がけの人生だったと思いますが、それでも脱北してよかったですか?

キム:ええ、よかったですね。脱北して韓国の土地に降り立ったとき、私はもうこれ以上望むことはないと思いましたもの。そして同時に私以上に運がいい人はいないのだと心から思いました。途中で捕まった人も多かったものですから、それを考えるととても幸運だと思っています。

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