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涙声で「助けて…」と。ツーショットダイヤルで結婚を誓った彼女からのSOS

コラム

涙声で「助けて…」と彼女から電話が

 けれど、亜美さんも同じ気持ちだと言ってくれるわりには、会うという話になると進まない。ツーショットダイヤルにはサクラが存在するという噂もあり、疑いを持ちはじめた隅田さんに、亜美さんはメールアドレスを教えてくれます。

「Gmailでしたが、嬉しかったです。僕は自分の携帯番号も教えましたが、一向に電話はかかってこない。それでも、メールとツーショット内での会話は止められませんでした。やっぱりサクラかもしれないと落胆していたある日の夜、公衆電話から着信があったのです」

 とっさに彼女の顔が浮かんで電話に出ると、まさにビンゴ。電話の相手は、亜美さんでした。しかも、涙声で「助けて……」と言っています。でも、事情を聞いても何も答えない。隅田さんは、すぐに彼女に今いる場所を聞き出し、その場所へ向かいました。

「なんと彼女がいると言ったのは、県外の公園だったのです。『近所の人とつながるという触れ込みだったのに、どういうことだ?』と思いながらも、車を走らせました。何があったかも不明で、亜美さんの顔さえ知らない状況だったので、すごく怖かったです」

命からがら逃げてきた彼女と将来を誓う

結婚

 ドキドキしながら公園に着いた隅田さんは、外灯に照らされた薄暗い敷地内の隅にあるベンチに、深く帽子を被った女性の姿を見つけます。歩み寄って声をかけると、その女性が顔を上げました。アザだらけの顔をした亜美さんだったのです。

「亜美さんは旦那から暴力を受けていましたが、両親ともに亡くしていて行き場がなく、旦那がいない隙を見計らってツーショットのサクラで稼ぎ、家を出ようとしていたとか。そんな矢先にヘソクリをしているのが旦那にバレ、命からがら逃げてきたとのことでした」

 隅田さんは彼女を連れて病院へ行き、診断書をもらって弁護士への離婚相談にも付き添うなど、なかなか大変だったそうです。ツーショットダイヤルで結婚を誓ったはずの女性はすでに既婚者で、DV被害を受けていたという衝撃の展開を体験した隅田さん

 いまは離婚も成立し、「キミがいてよかった」と彼女に感謝されながら、結婚に向けて少しずつ愛をはぐくんでいます。世の中にはドラマのような出会いも、意外とあるのかもしれませんね。

<TEXT/夏川夏実 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

特集・実録!私の結婚トラブル

ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5

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