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1冊の万引き「損害は50冊分」。“万引き被害ポスター”が話題の書店に聞く実態

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万引きされやすい本のジャンルは…

万引き

画像はイメージです(以下同じ)

 次に万引きされやすい本のジャンルについて聞くと、「被害金額、冊数ともにコミックが1番多いです」と語った。

「次にビジネス書です。ビジネス書は1冊の単価が高いものが多いので打撃が大きいです。また、残念ながら児童書の割合も高くなっております」という。児童書が狙われるようになった背景として、「万引きされた児童書の中には定番のものも多いです。このことから『転売に使用されているのではないか』と推測しています」

 転売という言葉が出たが、フリマアプリの普及により、一般人が気軽に商品を販売できるようなった時代背景も、万引きのキッカケを与えたのかもしれない。

 金子氏も「警察庁の『令和2年の刑法犯に関する統計資料』によると、年々若年層の検挙人員数は減少しています。成人が単独で大量に高額の商品を狙い、フリマアプリなどへの転売目的という悪質な犯行が昨今増えているように感じています」と答えた。

警察と連携して予防と対策を強化

 もちろん書店側としても“やられっぱなし”というわけにはいかない。川又書店以外にも書店を展開しているブックエースでは、どうやら警察と密な連携がとられているようだ。

「『警察の方々と協力関係を築くことは大変重要である』と考えております。犯罪の予防を前提とした万引き対策プロジェクトを設け、全5回にわたる研修の全店実施を予定しており、すでに8店舗で実施しました。

 万引きが発覚した際には、各地域の所轄の警察と連携し、被害届の提出の徹底や職務質問の協力、捕捉時には損害賠償請求まで行うことを決めております。さらには店舗で発見された不審者の情報も共有し、店舗で不審者が発見された際には職務質問をしてもらいます」

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