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元AKB48の29歳・起業家に聞いた「パワポも知らなかった」試行錯誤の日々

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就職して抱く「社会に適合してない」の悩み

不満 仕事

※画像はイメージです(以下同じ)

 就職活動を経て、広告代理店の営業職に就いた島田さん。履歴書を書く段階でも「アイドル時代のことは書くべきか」「でも、書かないと長い空白期間ができてしまう」などと躊躇が生まれたといい、実際に就職してからも一筋縄ではいかない日々が続く。

「就職してから、はじめて自分がPCスキルやビジネススキルの知識に乏しいことに気づきました。まずパワーポイントとワードの違いが分からず『パワポで資料を作って』や『PDFにして資料を配布して』と言われても、PDF化がわからない状態で。

 その都度、検索して試行錯誤する日々で、同世代の子たちがすぐに作れる資料も1日かけてしまうことも。本当に精神的に疲弊してしまうし、社会に適合してないんじゃないかという気持ちになりました」

 就職して3~4か月ほどは悩んでいた島田さんだが、同時に「これは後輩たちも歩んでしまう道なのでは」と感じるように。そして起業にむけて準備を進めつつ、自身のスキルも磨いていこうと切り替えたという。

AKB48時代の「握手会」が今の自分を助けてくれた

 さらに、アイドルとして活躍していた過去を周囲に気づかれることもあり、名刺交換の時点で「もしかして?」と聞かれることもあった。

一時期は『アイドルじゃなくて個人を見てよ!』という気持ちが募り、アイドルだったことをばれたくないと思うようにもなりました。完全に被害妄想なんですが『アイドルだから営業もできなくて仕方ないよね』とか『資料がうまく作れていなくてもアイドルだったもんね』と思われていると悩んだこともありました」

 しかし、営業活動において、アイドルだったことが会話につながったり、コミュニケーションがとりやすくなることに気づいてからは吹っ切れたという。初対面でも会話の持ちネタができ、話しやすくなるというのも元アイドルならではの武器だと気づいた。

「AKB48時代の活動として『握手会』があったんですが、ファンの方との触れ合いを通して自然とコミュニケーション能力や『察知力』という空気を読むスキルを身につけていたんだと気づいて。相談に来るアイドルの中にも『アイドルだったことを隠したい』という子もいます。

 その場合、まず私自身の体験談を話し、アイドル経験を活かすことの提案をまずさせてもらいます。もちろん、どうしても嫌だという場合もあるでしょうが、社会にはアイドル経験を発揮できる場所があるということは伝えておきたいんです」

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