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「人気焼き鳥チェーン」店主になった30歳元吉本芸人、人生の転機になった“妻の後押し”

学び

 赤い看板と昔ながらの「飲み屋」風な雰囲気がサラリーマンやお酒好きから支持を集めてきた「やきとり大吉」。大吉を運営する「ダイキチシステム」は、2027年に創業50周年を迎えるにあたり、これまでのイメージを一新するようなリブランディングを発表しました。

 そのスタートを切るのが、大吉・創業の地である兵庫県の店舗「青木店」です。9月2日にオープンすると、開店から1か月も満たないうちから賑わいを見せているという青木店店主は、愛知県の米野木駅店から兵庫県に移ってきたという櫻井康平さん(30歳)

やきとり大吉

左から、呉田弘之・代表取締役社長と櫻井康平店主

 櫻井さんは同社の呉田弘之・代表取締役社長が「愛知県からエースを引き抜いてきた」と自信を持って語るほどの人物でありながら、大吉に入社する前にはお笑い芸人として活動していた異色の経歴の持ち主。大吉でのキャリアと、従来の店舗からリブランディング店への変化について聞きました。

芸人から焼き鳥屋の店主に

やきとり大吉

元芸人という経歴もうなずける、よく通る声音で話をする櫻井さん

 櫻井さんは現在30歳。17歳の時にダウンタウンに憧れ、広島から大阪に出てきました。そこで、吉本興業のお笑い養成所「NSC」に入り、1年間お笑いについて学びます。

「NSCを卒業し、コンビとして1年ほど活動しました。小さなライブにいくつか出るなど活動していたものの、正直なところ鳴かず飛ばず。芸人としての道は諦め、フリーターとして生活していると、芸人仲間に『自分が店をやめるので、かわりにどうか』と大吉の九条店に誘われました

 19歳からアルバイトとして大吉で働き始めた櫻井さんは、次第に本格的な研修や修行を積むように。それまでラーメン屋や焼肉屋など飲食店のアルバイトをしていたものの、焼き鳥の知識などについてはゼロの状態からスタートしました。

店主の半数ほどは飲食未経験

やきとり大吉

赤い看板が印象的な、従来の「やきとり大吉」の外観(提供=ダイキチシステム)

「大吉はフランチャイズなのでメニューやレシピは決まっており、研修制度も確立されています。さらに、店舗の物件も本部が探すので、これまで飲食店を運営したことがない人でもゼロから始めやすく、大吉の店主のうち、半数ほどは飲食未経験。運転手や事務職をしていた方、IT業界や金融業界から転身したケースもあるそうです」

 九条店で3年を過ごした櫻井さんは今も「師匠」と慕う店主から、大吉のメニューや接客についてみっちり学びます。九条店で3年ほどが立ったころ、今度は「愛知の米野木駅店の店主をやってみないか」という打診がありました。

 米野木駅店に移ることは、櫻井さんにとってプライベートの転機にもなりました。現在の妻であるしのぶさんに「お店を手伝ってくれませんか」とプロポーズをしたのです。

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