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「忙しいから家のことをしろ」苦労を押し付ける母親限界を感じる女性の本音

コラム

「就職するか、家から出て行くか」苦渋の選択

履歴書のイメージ

「彼氏ともすぐに別れてしまいました。母に怒りをぶつけたこともありましたが、『私だって自分のやりたいことを我慢して家のために尽くしてきた。あんただって育ててきた』と言われて終わりです。相談というカタチで母と話そうとしたこともあります」

 けれど母は、「家にお金を入れるのは当たり前。理解してもらえない友達なら、そんなヤツは友達じゃない。こっちから友達なんかやめてやれ!」という始末。学校に居場所がなくなり、通信制高校へ移ったものの、そこでも馴染むことはできませんでした。

「高校卒業後は無気力な状態が続き、ずっと続けていたアルバイトに行くだけの生活を送ります。そんなとき、たまたま見つけたという小さな介護施設への就職を母に勧められました。『就職するか、家から出て行くか』と言われたので、苦渋の選択です」

働くことが楽しいと思えるように

 けれどいざ就職してみると、職場の人たちは明るくてカラっとした性格の人ばかり。しかも年配の人が多く、若い江波さんを娘のようにかわいがってくれたのです。そういった職場環境のおかげもあり、江波さんは働くことが「楽しい」と感じるようになっていったとか。

「でも、問題は母でした。最初は就職したことを喜んでいた母でしたが、私が介護の資格を持っていないため給料が安いのだと咎めはじめたのです。そして仕事を変わるよう、毎日のように言い続けています。いままでは言い訳を並べてかわしてきましたが、限界です」

 いまの職場環境が気に入っている江波さんは現在、資格取得を目指して勉強中。「早く家を出て、普通の生活がしたい」と奮闘しています。自分の苦労を人に体験させようとする行為は、迷惑でしかありません。酒のツマミやネタにして発散してほしいものですね。

<TEXT/山内良子 イラスト/本田しずまる(@hondashizumaru)>

-[私が体験した毒親トラブル]-

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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