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30歳で年収5000万円稼ぐ!「大企業=安定ではない」時代を生き抜く考え方とは

学び

企業に依存しないサラリーマンになれ

キャリアアップ

 大手企業に所属することが安定だと思っている人の思想は、沈没した豪華客船「タイタニック号」の乗客に似ています。1912年、当時、世界最大の客船であったタイタニック号は、イギリス・サウサンプトンからアメリカ合衆国・ニューヨークへ向かう処女航海で氷山に接触して沈没しました。

 事故の生存者であるアーチボルド・グレイシー大佐は「海は鏡のようで、星がはっきり映るくらい水面がなめらかだった」と、沈没前の風景について語っています。

 乗船していた誰もが、この豪華客船で、想像を絶する恐怖と向き合うことになるとは思ってもいなかったのです。タイタニックは全16区画のうち4つの区画が浸水しても沈没しないように設計されていましたが、事故が発生してから初めて、それでは十分でないことに気がついたのです

 映画『タイタニック』では、船が沈みはじめたとき、多くの乗客がまだ沈んでいない船首を目指すシーンが描かれていました。誰もが船首を目指し、沈みゆく船に「しがみつくこと」で助かろうとしたのです。

「いつでも乗り換えられる状態」にしておく

 これを企業に例えてみます。会社が倒産しそうなとき、ほかの会社に乗り移るでもなく、ただしがみついていたらどうなるでしょうか。沈没する船にしがみつくことでしか生き残れない人は、沈みゆく船と運命を共にするしかありません。助かるためには「生き残る力」を自分自身が身につけておく必要があるのです

 ではあなたは、もし明日、会社に出勤して、上司からクビを宣告されても「わかりました。では次にいきます」と言える状態になっているでしょうか。

「自分はいつだって転職できる」「どんな環境でも、自分でお金を稼げる」「給料以外に収入がある」という状態を実現していくことが「本当の安定」に繋がります。1つの会社に依存して働き続けるよりも、複数の会社で経験を積み、自分の市場価値を伸ばしていくことは、1つの自己防衛策なのです

 ただし、乗り換えることだけを目的にした転職や副業はしないでください。いずれも、自分の市場価値を高める「手段」として考えることが大切です。転職や副業は、より高い給料や新たな成長機会、自分の置かれた環境を変えるために誰もが使うことのできる手段です。どんな船でもいつ沈むかわからない現代では、それらを駆使して「いつでも乗り換えられる状態」にしておくことが大切です。

<TEXT/moto株式会社代表取締役 moto>

1987年生まれ。新卒で地方ホームセンターへ入社後、株式会社リクルートや株式会社スポットライト (現:楽天ペイメント株式会社)など7社へ転職し、営業部長や事業責任者を務める。自身の転職経験を元にした個人メディア「転職アンテナ」を上場企業へ7億円で売却し、現在は会社を経営している。デビュー作『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(扶桑社)はベストセラーになり、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」にもノミネートされた。最新刊『WORK 価値ある人材こそ生き残る』(日経BP)も発売中。Twitter:@moto_recruit

転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方

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