人間関係が「めんどくさい」と感じたら…人生の幸せ度を高める、人とのつき合い方
幅広い人脈は本人の幸せと関係ない
人間関係とひと口に言っても、その内容は人によって全然違ったものでしょう。たとえば、仕事上の交友関係が広くて人脈がある人でも、あくまで仕事上のつき合いだけで、プライベートでは親しくないという人がいます。そういう場合には人間関係が広そうで、実は狭かったりします。一方で、人脈はあまりなくても、小学校時代からの友人と深い友情で結ばれているという人もいます。
これは、自分はどちらが好きか、嫌いかということであって、どちらがいい・悪いということではありません。幅広い人脈があったり、SNS上の友だちがたくさんいたりするほうが、社会的には有利なように見えますが、本人の幸せとはあまり関係ないからです。常にいろんなパーティーに出席して、華やかな交友関係を保っている人が、プライベートは全然充実していなかったり、孤独を感じていたりすることもあるからです。
地球上には78億人もの人間がいるにもかかわらず、ほとんどの人が、実際につき合いがあるのは多くて100人くらいのものでしょう。緊密に連絡を取り合っている相手は、そのなかでも、せいぜい30人くらいという人が多いのではないでしょうか。
この30人が、人生で何を考え、何を感じているか、知っていますか? 私たちは、この30人のことすら、ろくに知らないし、想像したことすらないのではないでしょうか。そして、あなた自身もあんまり理解されていないのです。
相手を理解し、理解されていますか?
この30人くらいの人たちをどれだけ理解し、彼らにどれだけ理解されているか、人間関係はそこで決まります。もっと、彼らに興味を持ちましょう。そして、自分のことを知ってもらいましょう。それが、あなたの幸せにつながります。
今まで漫然とつながっていた人たちのなかに、もう関係が切れてもいいなと思っている、もしくは、関係を切りたいと思っている人はいますか? それは、この人はお金持ちだからつき合っておこうとか、この人とつき合っていると仕事上のメリットがあるだろうと思うような関係でしょう。
上司や部下、先輩や後輩といった立場を重んじる関係、仕事上のしがらみがある関係、素の自分を出すことのできない関係ではないでしょうか? 反対に、どの関係はつなげておきたいと思っていますか?
こういうことを考えてみることで、自分がどういう関係を大切にしたいのかが見えてきます。人間関係は、人生における幸せ度を大きく左右します。ですから、 あなたがこれからの人生で、どういう人間関係をつくっていきたいのか、考えてみましょう。
<TEXT/作家・経営コンサルタント 本田 健>