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精子ドナーで年間約70万円の稼ぎにも。米国で盛んな「精子ビジネス」の現実

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どうやったら正式な精子ドナーに?

夫婦 カップル

 どうやったら正式な精子ドナー(提供者)になれるのか? 前述した精子バンク「California Cryobank(カリフォルニア・クリオバンク)」では、「Good isn’t good enough(良いだけでは十分ではない)」と公言し、「精子提供の申し込み者のうちの1%を提供している」と、なにやら「1% vs. 99%格差問題」の「上位1%の富裕層」を思わせるようなフレーズがある

「他の精子バンクでは質や条件がよりよい精子は余分な費用を請求しているが、当バンクでは皆さんへ最高級の精子を提供している」と謳っている。精子ドナーの素晴らしい健康体はもとより、趣味や才能など厳選しているらしい。高級ブランドバッグのごとく、精子の商品化は激しい勢いだ。

 同バンクでは、精子提供の申し込み者の条件に、「年齢は19~38歳」「短期大学または大学の卒業生または学生」「身長は173センチ以上」「健康」「米国で就労資格がある」と挙げている。

 同じく前述した精子バンク「The Sperm Bank of California(ザ・スパームバンク・オブ・カリフォルニア)」では、精子ドナーに1回の提供につき140ドル(約1万5960円)の報酬があり、月々500ドル~700ドル(約5万7000~7万9800円)の収入になるという。半年後の血液検査を受けると、さらに500ドル(約5万7000円)もらえる。

 ただし、精子ドナーになるためには「年齢は20~39歳」「身長は少なくとも170センチ」「6~12か月、当バンクに関われる」「同バンクから40キロ圏内に住んでいる」「米国で就労資格がある」「家族の病歴を提出できる」「大学卒業している、または大学生」という基本条件をクリアした男性のみ申し込みを受け付けている。人種は、白人、黒人、アジア系などとあるので、日本人男性も申し込み可だ。

精子ドナーの目的はお金!

 前述した「スタンフォード大学」の調査レポートによると、選ばれた「精子ドナー(提供者)」の平均収入は、1回の精子提供につき40ドル~100ドル(約4560円~1万1400円)ほど。1年間で6000ドル(約68万4000円)ほど稼げることになる

 精子ドナーの精子提供する目的のほとんどはお金。利他主義(社会貢献)で精子提供を行なうドナーは少ないという。精子提供の手順は簡単だ。各バンクの個室に入り、そこに用意してあるたくさんのポルノ雑誌を見ながらマスターベーションして精子を無菌容器に入れて提出するだけだ。

 数百人の兄弟姉妹がいたら、問題は起こらないのか? 例えば、同じ父親(精子ドナー)を持っていることを知らない子どもたちの間で、偶然に近親相姦が起こってしまう可能性もあるだろう。その場合、遺伝子的な欠陥を抱える子どもが生まれてくるリスクが高くなる。

 医療機関を介せず、ソーシャルメディア(SNS)を介して精子提供をする場合には、前述したとおり、提供する側にも何らかの問題が出てくるだろう。今後、ソーシャルメディア(SNS)を介した精子提供の取り締まりや合法的な精子バンク設立に関する法律や環境の整備を行なうことが必要だろう。

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