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交通事故で社内不倫が発覚した20代社員を左遷。会社の判断は本当に正しいのか

学び

 業務中の交通事故と社内不倫――。こんなトラブルにぶつかった時、あなたが当事者だったらどうするか。多くの人はきっとどうしていいか、わからないだろう。

運転

※画像はイメージです(以下同じ)

 今回は実際に起きた事例をもとに、交通事故と不倫について考えたい。本記事の前半で具体的な事例を、後半で人事の専門家の解決策を掲載する。事例は筆者が取材し、特定できないように加工したものであることをあらかじめ断っておきたい。

事例:不倫相手と業務中、交通事故に

 社員数150人ほどの印刷会社の営業部に勤務する中村義男さん(仮名・28歳)。入社6年目で、役職はまだない、毎期の人事評価は同世代である20代の中では上位にランクされる。

 2年前に、学生の頃から交際をしてきた女性と結婚した。3週間前、交通事故を起こしてしまった。勤務時間中に、社用車で営業先に向かう途中だった。いわゆるルートセールスだ。曲がり角で自転車に乗る30代の女性にぶつかり、数針を縫うけがを負わせた。業務中の人身事故は、これが2回目。1回目は、昨年の春だった。

 今回は事故時に、助手席に営業部の女性(24歳)がいた。総務の役員が2人に確認すると、共に不倫関係であることを認めた。1年程ほどから、交際をしていたという。女性は男性が結婚していることを知っていた。男性も、女性が独身であることを心得て交際を重ねていたようだ。

 総務担当役員は社長に報告し、会社としての対応を話し合ったが、結論はすぐには出なかった。一時期は2人を同時に解雇にすることを検討したが、最終的に男性を営業部から外し、工場に異動させた。女性は、総務部に配置転換にした。だが、噂は広まり、社外にも広がりつつあるという。

交通事故と不倫を同じ問題として扱うのはNG

大津章敬

社会保険労務士法人名南経営の代表社員である大津章敬さん

 大手士業系コンサルティングファーム・名南経営コンサルティング取締役で、社会保険労務士法人名南経営の代表社員である大津章敬(おおつあきのり)さんに取材を試みた。大津氏は「交通事故に不倫はダイレクトに関係がない」と言い、こう続ける。

「業務中(営業のルートセールス中)に交通事故を起こした際に不倫相手である女性社員が偶然同乗していたために、交通事故と不倫の問題を同じフレームで捉える場合があるかもしれないが、それは避けたほうがいい」

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