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「あずきバー」の売上が過去最高。井村屋の好調を支える女性社長

ビジネス

大手ではごく少数、女性社長の会社

井村屋

 そんなあずきバー人気に甘んじることなく、引き続き新しい製品を投入している点も興味深いです。

「すまん」の例が好例だと思います。公式SNS上でユーザーの声を拾い、「具の入っていない中華まん」を「すまん」という絶妙なネーミングで売り出しました。2020年最初に販売したときは2か月で完売し、2021年にEC限定で再販売しています。その過程も公式SNS上で公開しており、話題になりました。

 そして、井村屋グループで特筆すべき点としては「社長が女性である」ことが挙げられます。現在の井村屋グループ社長の中島伸子氏は、1978年に井村屋に入社し、グループ企業内の経営メンバーを歴任したのち、2019年4月に現任となりました(有価証券報告書より)。アルバイトからスタートし、正社員に登用され、管理職、社長に。

 日本の社長における女性比率は2020年末時点で「8.0%」(帝国データバンク調べ)と、依然として珍しい状態です。さらに井村屋グループと同規模の「年商100億円以上」では1.4%となっており、非常に珍しい存在といえるでしょう

井村屋グループ「ホワイト/ブラック度」判定

井村屋グループ:★★★★☆

 食品メーカーとして丁寧に積み上げ、海外進出も果たそうとしている企業です。

 また、意外な顔をいくつか持つ企業でもあり、グループ企業の「イムラ株式会社」が賃貸不動産運営・社内託児所・アウトレットショップの運営を事業として営んでいたり、制服のデザインで一世を風靡し、現在は品川・高輪店1店を残すのみとなった「アンナミラーズ」の運営元でもあったりします。

 労働系のトラブルも目立ったものがなく、最終的な評価を★4としました。

<TEXT/アラートさん>

ブラック企業を生き抜いた歴戦のプロダクトマネージャーが、公開情報からホワイトorブラックを判定し、率直な理由とともにお伝えします。
Twitter:@blackc_alert
note:ブラック企業アラート

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