Amazonマーケットプレイスはなくなるかも?「お客様至上主義」の弊害
マーケットプレイスがなくなる可能性も?
2021年4月からは、2000円以上の商品には、全て追跡ができる方法が厳守となった。マーケットプレイス自体を急に停止するとなると、批判が殺到しまう。そこで考えたのがパフォーマンス基準をどんどん厳しくしていくことで、守れないユーザーは追い出していくことではないだろうか……。これは、テイのいい首切りだ。
この傾向はここ3〜4年で勢いを増しており、マーケットプレイスがなくなる可能性もそろそろ考えたほうがいいのかもしれない。
マーケットプレイスの場合、販売価格から商品ジャンルによって、一定の販売手数料が利益から引かれる。Amazonは手数料で儲けているから、なくならないと思うかもしれないが、商品数的にも、収入源的にも、Amazonは今そこに依存する資本レベルではなくなってきている。
ちなみに、マーケットプレイスの中には「フルフィルメント by Amazon (FBA)」というサービスがある。これはAmazonの倉庫に荷物を送り、注文が入ればAmazonによって、梱包・発送してもらえるというもので、実はこちらにシフトさせたいという考えもあるのだろう。やたらと促されるし、US Amazonのマーケットプレイスでは、FBAであれば販売してもいい限定ペナルティもある。
しかしこのFBAは、販売者からすると商品の保管料が発生するのと、たまに商品が紛失する。保証申請は建前上、可能ではあるが、サポート体制が機能しておらず、筆者の周りではあやふやにされるケースもあった。
独自のECサイトを立ち上げる販売者も増加
販売者を圧迫し続けるパフォーマンス基準に耐えられず、「Shopify」や「BASE」などで独自のECサイトを立ち上げる販売者も増加しており、Amazonに依存しないネット販売、脱Amazonが進んでいる。
副業やネットビジネスを展開するにあたって、Amazonはあくまでサブとして、メインの展開基盤と考えないほうがよくなっているのかもしれない。
いまだに圧倒的な存在であるAmazon、今後どんな企業に成長していくのかは、第三者としては、俯瞰で見る楽しみはあるかもしれないが、物流の現場に立っている者は、常にヒヤヒヤさせられている状況ではないだろうか。
<TEXT/映画ライター バフィー吉川>