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元「お笑いバー店員」が教える会話のコツ。誰とでも“深い関係”を築く

学び

そもそも「笑い」の定義は何なのか?

 まず始めに「笑い」の定義なのですが、声に出して笑えるような英語で言う「funny」なものだけではなくて、なにか学びを得るような「interesting」なものを含んでいると考えています。

 お笑いの世界では「funny」の割合を増やすことが多いのですが、ビジネスやプライベートにおいてはそれだけでは良くないですよね。特にビジネスでは「interesting」を多く生み出すことで関係性構築がより円滑になるはずです

 私が普段、笑いを生み出すために意識しているのは「会話そのものを楽しむスタンス」を相手に伝えることです。基本的には人は自分の話を聞いてもらいたい生き物です。そしてその話を楽しんでもらえている実感があればもっと話したくなります。

 相手が話をして自分が笑うという循環を作ることを目標にトークを進めていきます。相手が自分から話題を作ってくれるような状態になってから次のフェーズに移ります。

 私の業務を例にあげて説明してみます。例えば求職者がキャリアアップに関して悩んでいるとしましょう。であれば、「そのキャリアアップをテーマに話をしましょう」との共通認識を絶対に取るようにします。あとはそのテーマに関して、さまざまな角度からの質問をしていきます。

1つのトークテーマを定める

会話

 キャリアップという言葉に対してどのようなイメージを持っているのか、それにはどのようなメリットがあるのか、逆にデメリットがあるとすればなんなのか等々、どんどんツッコミを入れていきましょう

 ここでも相手の会話を楽しむというスタンスを決して忘れてはいけません。相槌を打ったり、相手の会話を要約してみたり、時には笑ったりとさまざまな反応を見せるようにします。そうしていると、そのテーマに対するお互いの認識をすり合わせることができ、相手の課題に対して自分も一緒に向き合う時間を作ることができます。

 最近よくある漫才のスタイルですが、1つのテーマでひたすらさまざまな種類の笑いを生み出すような構成を見たことはありませんか? 例を上げるとすれば2019年「M-1グランプリ」決勝でミルクボーイさんがやった「コーンフレーク」のネタですね。ひたすらコーンフレークについての会話だけで笑いを取っていましたね。あれが理想の形だと考えています(知らない人は申し訳ございません)。

 さまざまな質問をぶつけるよりも、1つのテーマに対して深堀りをしていくほうが、一緒に何かに取り組んだ実感が湧くはずです。ここまでできて、やっと相方になったと言えるのではないでしょうか。相方になって初めて自分の意見を素直に聞き入れてもらうことができます。遠回りにも見えますが、こうした準備があればこそ関係構築ができるのではないかと考えています。

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